「どーでもいいな」
「司は牧野にしか興味ねぇからな」
それで良いんだ。あんまり興味持たれても困る。私は静かに過ごしたいだけ。目立ちたくないだけ。
「総二郎さんのせいで、ちっちゃいいじめが――…」
「あれ、牧野…」
その声を聞いて光は慌てて眼鏡をかけた。背を向けて慌てて三つ編みをする。後ろから牧野さんが来ているのだ、取り巻きに巻きつかれながら。流石にこの状況だとバレてしまう。光は慌てて結おうとするも上手く行かない。
「光ちゃん、何慌ててんの?」
「三つ編みしないと!」
「ん?あ、ほら。代わってあげるから」
三つ編みできるんですか?首を回して美作に視線を向けると手馴れたように三つ編みにしていく。
「はい、終わり」
「あ、ありがとうございます、美作さん!それじゃ!」
軽くお礼を言うと光は走り出した。ずれた眼鏡をたまに直して、早いスピードで駆けて行く。その間髪が崩れなかったのは美作の三つ編み効果かもしれないと光は小さく喜んだ。あ、文句を言うのを忘れてた!が、これ以上目立ちたくは無い。正直牧野さんと道明寺司が目立ってくれて良かったのかもしれない。
終