「光ちゃん?」
「はい、どうかしましたか?」
「いや、ぼんやりしてるな、と思って」
そういう美作の顔はニヤニヤがピッタリだろう。あきらさんは総二郎さんが女の人と出かけるのを寂しいと言って欲しいに違いない。だけど、そう簡単には言わない。光は負けない、と言うように笑みで返した。
「もう。最近あきらさんのそういう視線がうざいです」
「うざいっておい…」
「花沢さんからも言って下さいよ」
「何を?」
「…えっと、とりあえずうざいって」
「うざいよあきら」
「その一体感は何だ!?」
そのつっこみ総二郎さんみたい。光はクスクスと笑った。
「さて、私もそろそろ習い事があるので帰らないと。今日は素敵なバラ園を見せて頂きありがとうございました。花畑もとても素敵で」
「気に入ってくれたなら良かった。またおいで」
「え、いいんですか?私、本当にまた来ちゃいますよ?」
だってあんなにすごいものをまた見せてもらえるのなら、予定を開けてでも来てしまうくらいだ。光は目を輝かせた。
「光ちゃんならいつでも歓迎」
「わ!ありがとうございます、あきらさん!あ、後申し訳無いのですが和也君の事はよろしくお願い致します。それとつくし達に何かあったら私にも教えて下さいね!」
「あ、待って宮永。俺も帰る」
光が扉を開けようとした時類も立ち上がった。
「類も?んじゃ、俺もどっか行こー」
「え、じゃあつくし達に何かあっても分からないじゃないですか」
「ここで何もなきゃ男じゃねえ!あいつは!」
それで結局何回何も無いと思ってんだろ…相変わらずそういう所は抜けていると言うかなんと言うか。光は笑う。
終