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「あれ?シゲルさんは?」

桜子の言葉に周りを見るもさっきまでそこに居たシゲルの姿はどこにも無い。

「シゲル!?ありゃどこ行った」

シゲルの携帯に電話をしてみてもシゲルが出る事は無い。

「…もしかして道明寺さん追いかけた、とか?」

光の言葉に皆もしかして…と考えるも今更ねぇわ!と笑いが生まれた。

「にしても、西門さん久しぶりですね」

「こいつも案外頑固なんだよ」

「宮永先輩が寂しがってましたよ」

桜子の言葉に首を傾げたのは光だった。何でお前が首傾げてんだよ…呆れる西門。

「私寂しがった覚えが無いなと思って」

「素直じゃないなぁ、宮永先輩はっ!」

何がそんなに楽しいんだ、光は嘘を言うのはこの口かと桜子の頬を抓った。

「いやいや、光ちゃん、なんだかんだ言って寂しかったでしょ?」

何この空気は…。私に何かを言わせたいらしいあきらさんと桜子。西門は訝しげに光を見る。

「…ねぇ、総二郎さん。助けて。何かこの二人おかしい」

「俺に言われてもなぁ。な、本当に寂しかったのか?」

ニヤニヤするな!だらしない!今度は三人が同じ顔で光を見ていた。

「…はいはい!寂しかったです!そう言えばいいんでしょう!?……帰る!」

「おい!何キレてんだよ!」

立ち上がり歩き出した光を西門は慌てて追いかけた。

「キレてないし、実際これから総二郎さんのお母様と食事に行かなきゃ。て、事でそれじゃあ」

光は怒らせた?と思っていた美作と桜子に手を振ってから歩き出した。

「俺も行く」

「うわ、マザコン?」

「ちげー!ぜってぇねえよ!」

その声は店を出るまで美作と桜子に聞こえていた。

「…あの二人、一体どういう関係なんです?」

「…お互い本心言わずってトコだろうな。光ちゃんは総二郎の事気に入ってるで間違いないと思うんだけどなぁ」

「でも、宮永先輩は西門さんに感謝してるって言うんですよ?美作さんがそれと間違ってる可能性もあると思いません?」

「…あの二人は司と牧野みたいに単純じゃねぇし、こっちが騒げば逆に冷めそう」

だったら光の気持ちはどこへ行く?



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