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事情を話す為にシゲルと桜子を呼び、道明寺をなだめようと集まったカフェ。

「なるほどねーっ。そーいう事だったわけだ」

「やっぱりあやしいと思ってたんですよ」

「おまえあやしー人間にはすげえ鼻がきくよな。桜子自身があやしい人間だからなー」

「ちょっとそれそーゆー意味ですかっ!それに宮永先輩なんて最初から黒幕はあの人じゃないかって言ってたんですよ!」

急にふられた光は咽そうになった胸をそっと撫で下ろした。どうやら桜子は私も道連れにしたいらしい…光は桜子を睨む。

「蛇の道はヘビだな」

「西門さんっ!」

「それどういう事!」

巻き込まれ被害者だ、私。完全に桜子の巻き添えだった。

「なんか寒気しねえ?」

美作の言葉に一同視線を動かした。先程から一言も話さない道明寺は機嫌悪そうに、眉間に皺を寄せたままだった。

「うわ、陰の空気で満ちてるよ」

「ドロドロですね」

「…昼なのにあたりが暗いし」

重いものを背負っているようにしか見えないんだけど…光はなんとなく気まずくて目を逸らした。

「そりゃ落ち込むじゃん。ガキって言われるわ。牧野はあの男とどっか行っちゃうわ。だいたい赤の他人にガキなんて言われたの初めてじゃねーの?」

「やっぱ大人の男っていーのかなー」

「確かに。自分が子供だったら尚更。ねぇ桜子はどう思う?」

「そりゃいーですよ。すべてつつみ込んでくれる感じじゃないですか?」

「もう牧野、つつみ込まれてたりして!」

久しぶりに参加した西門は生き生きとした悪魔だと思った。道明寺が持っていたグラスにヒビが入る。そして立ち上がった。

「帰ってねるっ」

「お…おいおいおいっ」

今のは完全総二郎のせいだろ、そう言う視線を西門に送れば西門はあっけらかんとして言う。

「いーんだよ、あんぐらい言っとかねーと」

まだ怒ってるんじゃないかと思った。

「よくこんな時にねてられますねー」

「子供の時からあいつは腹立てるとあばれるかねるかなんだよ、ガキだから。しかしよっぽどこたえたみたいだなー」

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bkm
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