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「この子気に入ったから。バカな女なら遊んで捨てようと思ったけどね、金も入るし。だけどそーゆー気なんなくなった。それを一応司くんに言っとこうと思って」

「ふ…ふざけんなこの野郎」

周りにはいつの間にか観衆が出来ていた。そんな事も気にせずケンカを始めようとする道明寺。

「牧野、おまえどーなわけ?はっきり言ったれよ、こいつに――おまえだって金で人騙す奴冗談じゃねーだろ?」

「……るさい」

つくしは小さく呟いた。

「あ?なに?聞こえねーよ」

「うるさいっ!」

つくしの大声は廊下中に響き渡る。それに呆然とする一同。

「いいかげんにしてよっ!あんたら一体なんなのよっ!あたしの人生に土足で踏み込んでこないでっ!誰が一番不快だと思う!?あたしだよっ!?気に入ったとか気に入らないとかどーでもいい!どーでもいいのよっ!」

つくしの言葉に誰も口を挟めないで居た。逆ギレだと類は笑う始末。

「お…落ち着け牧野」

「落ち着けるかってのっ!陰でコソコソ…なんなのもうっ!ちょっと顔かして。うそっこ清永」

つくしは投げたバッグを拾って歩き出す。

「牧野っどこ行くんだよっ!おまえまさか俺はダメでもそいつならいーのか!?その嘘つき男がっ!」

道明寺の言葉につくしは振り返って一言、

「バ――――カッ」

この人達に呆然とさせるのはつくし以外いないのかもしれない。



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bkm
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