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「こンの野郎…上等だ!」

振り上げた足は避けた清永には当たらず後ろに居た西門の顎にヒットした。

「い…って〜っ!なにすんだよっ!このバカ男っ!」

「おめーがどかねーからだろっ!ボケっとすんな!」

「おい、もーいい加減にしろって二人共!」

「そうですよ!ちょっと落ち着いて下さい!」

それを道明寺に言うのは怖いので、光は西門を押さえるように腹に腕を回した。

「全部話して」

そういうのは冷めたつくしの声。

「ちゃんと説明して!どういうことなの!?」

言い争いしていた道明寺と西門でさえも黙った。

「……一ヶ月前かな、ビシッとスーツ着た男が二人来てさ、内密にお願いしたいことがありますとか言って。聞けば息子の恋愛相手をだまくらかせって言うじゃん?俺もヒマだったし、金くれるってゆーなら欲しーし。まあ普通の神経じゃねーよな。大金はたいて見ず知らずの人間にんなこと頼むなんて」

それで興味がわいたと話す。

「それで牧野に近付いたってわけか。でも任務遂行してないんだろ、なんでこんなとこで種明かししてんの?」

美作の言う通りだった。ここでそれをバラす意味が分からなかった。

「こっちも計算外。こんな早くバラすことになるなんて」

「…正体バラしたってことはもう用はねーだろ?さっさと失せろっ!」

その道明寺の言葉に偽物の清永は笑みを浮かべた。

「ガキだな、おまえ。いいか?よく聞きな。俺がわざわざこんな所までのりこんで来たのは――契約を断るつもりだからだよ」

「あきらめたってわけだ」

「嘘つくのが嫌になった」

その視線は真っ直ぐとつくしに向かっている。

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bkm
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