「私、あの二人けっこうお似合いだと思うんですけど」
「…俺も」
「うんうん」
感慨深く頷くというか納得する。この二人が大声でケンカなんてありえないし、なんだかんだ言って楽しそうだ。会話もちゃんとかみ合っているし、価値観も合うだろう。
「あいつのイトコって奴、けっこう家庭がフクザツらしくてさ、司コンプレックス持ってんだよ」
「コンプレックス?なんでですか?」
光も分からない、そういうように首を傾げた。
「ほら、あいつが大金持ちだったばかりに牧野との仲を裂かれたろ?やっぱ面白くねえんじゃないの?結局は同じ世界の人間同士がくっつくってのはさ」
「ふーん。私は楽でいいと思いますけどね。大変じゃないですか、育った環境が違った人とつきあうの。価値観違うし」
「苦労するだろうね、普通に考えれば」
「その苦労ってやつしても、やっぱあいつは牧野がいいんだよ」
道明寺さんにとって大きな壁なんか関係ないくらいつくしが好き。そんなに好かれるつくしが少し羨ましい。
「…あー…じゃあ、今の道明寺さんにとって私と総二郎さんは嫌われる存在と言うか、コンプレックスの塊か」
「そうですよー!二人共婚約しようが関係無いって感じで、信じられないんじゃないですか?」
「ま、道明寺さんは気持ちだけで動いてるもんね〜邪心で動いている私達とはまるで人種が違う」
「邪心ねぇ〜」
光の言葉に美作は小さく笑った。この子は何を言っているんだか、素直じゃないのは性格か。何で笑ってるの、美作さん。事情が分からない桜子と、それを知っても知らないフリをする光は顔を見合わせ首を傾げた。それからすぐに長年の使用人タマではなく、椿が帰ってきた。道明寺の従兄弟、清永の話をするもやはり居場所は知らない。そして独自に捜査すると道明寺はシゲルや桜子には着いてくるなと言う。だったら女子は女子で調べてやる!光は必然的に女子チームに入っていた。
終