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「家の中まで入ってくるなんてちょっとずーずーしくないか!?」

「ですよねえ!これは早めに手を打っておいた方がいいですよっ!」

「俺ももっかい見てみたいわ、そいつ。クラブで見かけた時なんかいけ好かねえ奴だと思ったんだよ。両手に女はべらせてすれ違いざまに」

見てんじゃねーよ、タコ。美作はそう言われたと怒る。

「タコだぜタコ!俺は司だと思ってボーゼンとしてよ、いっとくけど生まれてこのかたタコなんて呼ばれたことはねーんだよっ!」

話が脱線してるよ、あきらさん。光は美作を座らせるように服の裾を掴んだ。

「とりあえず落ち着いて下さい。それは後で。でも、なんとかした方良いですよ、ホント」

「だよね!調べてみよーよ!司!」

「俺はいいよ。会いたくねえって言ってんだろ?会ってどーすんだよ」

「だってさあ」

「ちょっと待って」

シゲルが道明寺に言い返そうとしたのをつくしが止めた。

「あのそんなに悪い人には見えないんだけど。確かにあたしも初めは最低と思ってたけど…」

「あーっ!かばってる、なんでかばうのつくし!」

「そうですよ、ちょっとやだっ!もしかして先輩!グラッときてんじゃないの!?」

今度は桜子が立ち上がった。それに光は落ち着きなよと言っても桜子は座らない。

「だいたい2日間どこにいたんですか?もしかしてあの男といっしょに――」

そう言った時つくしの顔は真っ赤に染まる。それは肯定しているのと一緒の意味だった。思わず立ち上がるシゲルと美作。

「ち…ちがう、そうじゃなくて」

そんなつくしを他所に美作、シゲル、桜子の三人はヒソヒソと話し合う。2日間、男の部屋に泊まるなんてどういう事か。

「川に入って風邪ひいて熱出してたのよっ!覚えてないんだもん!目が覚めたら家にいたんだからしょうがないでしょ!?」

「目が…覚めたら…家に…」

更にヒソヒソヒソヒソ。

「だからちがうってっ!」

皆そろそろ落ち着こうか、と光が言いかけると同時に道明寺が立ち上がった。

「俺が調べる。かげでコソコソしやがって、会いたくないだと!?意地でも会ったろうじゃねーか!」

本当につくしの事になると道明寺さんは見境無いと言うか。なんとも微笑ましい光景だと思った。



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