「とにかくつくしに会ったらすぐに謝った方がいいからね!」
「そうですよっ!」
シゲルと桜子は嫌がる道明寺に説教し、なんとかつくしの家まで連れてきた。道明寺さんがそう簡単には謝ると思えないのだけれど。光はそれよりもつくしが帰って来ているかが心配でインターフォンを鳴らした。
「つくしパパ久しぶりー!」
「こんばんはー牧野先輩帰ってきてますー?」
出迎えたつくしの父に挨拶するとつくしはさっき戻ってきて…と言いかけ道明寺の顔を見て驚いた。
「本物の道明寺様がお見えになったあああ!」
本物の道明寺とはどういう事だ?つくしの父に聞くよりも本人に聞こうと一同は家にあがりこんだ。
「つくしっ!何やってたのよおーっ!心配させてこいつーッ!」
「ったくお前、何も言わねーで消えんのやめろよな、人騒がせなんだよ」
「ご…ごめん」
「…よし、シゲルさん後ろから私の体押さえてて」
へ?と言いながらもシゲルは光を羽交い絞めにした。
「今度こそ殴ってやるって決めたんだー!つくし!頭出せー!じゃないと足が出る事になるぞー!」
「え、ご、ごめん」
「……バカ、心配させないで」
光はつくしの頭を軽く叩いた後優しく撫でた。その後ろでシゲルも笑みを浮かべる。
「みなさんお茶でいーですかあー?」
つくしの母の言葉に光はシゲルの手を解いて私も手伝いますよー。あら、いいのよ、お客様なんですからーそんな程度の会話をする。
「ほら、司。つくしに言う事あるでしょっ」
「牧野、こいつおまえに話あるんだってさ」
こいつというのは当然道明寺の事だ。なかなか話を切り出さない道明寺に周りが急かすも道明寺は口を開こうとしない。
「今更なんの話?あたしにはもう何もしてやんないんでしょ?話していいわけ?それとも何?まだ責め足りない?」
「ちょっと先輩違うって」
「ちがわないっ!いーじゃない合コンやったって!」
つくしは相変わらず人の話を聞かないと言うか、一直線と言うか…怒るつくしを宥めるように光はつくしの肩に手を置いた。