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「どっちにしろ今日はさびしんぼーいを慰めに行かないと」

「さびしんぼーい…?あ、西門さん?」

「そうそう。まだ道明寺さんと仲直りしてないからね」

婚約者の子守は大変なんですよ、光は小さく呟いた。

「…そういうわりには嬉しそう」

「うん。結構楽しい」

「楽しい…?」

何が楽しいんだろうか。ケンカしている事が?会いに行く事が?桜子は分からずに首を傾げた。

「私この歳までまともな友達っていなかったの。なーんか、人に嫌われる体質で。だから、今皆とわいわいやっている事が楽しいんだよね、私」

「そうなんですか?」

まぁ、私も本当の友達らしい友達はいないけれども。桜子はそう思ったが口にはしなかった。

「だから私はこの出会いをくれた総二郎さんやつくしに感謝してる」

悔しいけれどとても可愛い顔だと桜子は思った。最初に会った時は本当に地味で、根暗そうな性格だと思っていた。だけれど、今は違う。心から楽しくて輝いている感じ。この人も牧野先輩に感化された人の一人だと思う。

「と、言う事で今日はパス。皆で楽しんで来て?お茶するって言うなら喜んで予定空けるからさ」

「ま、私が格好良い彼氏見つけたって知りませんよ?宮永先輩は後悔して下さい」

「はいはい、その時は是非自慢気に紹介して下さい」

光と桜子は笑い合う。つくし以外にもこう笑い合える友人が英徳に出来た。二人が思う所は一緒。



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