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「ねえ今日泊まってもいい?」

「もちろんっ。いいに決まってる!」

「宮永先輩も泊まりますよね?」

総二郎さんに帰るって言ったけれど、後で電話しておこうか。ここで断るなんて野暮な事はしたくない。光は笑顔で頷いた。

「優紀さんだっけ。あなたも大丈夫?」

「優紀も一緒に泊まっていってよ」

「そうだよ、折角なんだから」

そう言っても優紀はまだ少し戸惑っているようだった。

「ほら、いつまでもゆーうつな顔しない!今回の件は青池さんやあなたのせいじゃないと思う!男と女の仲なんて水ものなんだからっ」

何それ、意味わかんないんだけど光は笑いを零した。

「そうよー私達なんてそんなの経験済みだよ」

「牧野先輩が遅れてんのよ、発育がさー」

「ひど…そりゃあんた方は発育オーバーかもしんないけどさ」

つくしの区切る場所にシゲル桜子と同様光も含まれていて、何で?と首を傾げた。

「身体じゃないの!恋の修羅場を乗り越えての発育!」

「桜子なんてそれで顔かえてんだから」

「もーよけいなこと言わないでッ!」

「大丈夫大丈夫!今の桜子、黙ってれば可愛いんだから」

「それ宮永先輩に言われたくないんだけど!元が良くても喋ったら残念のくせに!」

何だと、二人はニヒルな笑みを浮かべながらにらみ合う。これからいっぱい喋ろうとお菓子や飲み物を用意する中光はそこを抜けて一人ベランダに出た。

「もしもし、総二郎さん?」

《あ、光か。どーした》

「…つくしね、ちゃんと帰って来ました。元気だった」

《あいつは殺しても死なねーよ!》

そんなゴキブリみたいな言い方はよろしく無い。

「それでね、今日つくしの家…シゲルさんのマンションにお泊まり会する事になりました。それでね、今日は西門さん家に居るって事にしておいてね」

《おう》

「私ね、女子メンバーで……私そういうの初めてだからすごく楽しみ」

《…良かったな。楽しめよ》

「……総二郎さん、私の帰り、待っててくれますか?」

《は?》

「何でも無いですよ!それじゃあ、また」

光はそれだけ言ってから通話を切った。何を期待しているんだ。調子に乗っちゃいけないじゃない。自分にそう言い聞かせた。

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