「あ、優紀ちゃん?おはよー。つくしを迎えに行った車がそろそろ帰ってくるから――まで来れる?迎えに行こうか?」
うんうん、じゃあ、待ってるね。と電話を切ってから優紀が合流し、その後類が先に帰ってきた。その車にはつくしの両親と荷物。そしてそのまま先にシゲルの持つマンションへ降ろした。
「ねえ類。ほんとにここに来るのー?」
「うん、ちゃんと言っといたから、司に」
「車混んでんじゃねえの?」
「遅いわねー」
類が到着して数十分経ってもなかなかつくしの乗った車は来ない。
「つくしちゃんに会うの何日ぶりだろ、つくしちゃん元気かなあ」
「…うん」
「あれえニッシーは?」
シゲルは辺りをキョロキョロと見渡す。
「言ってなかったっけ?彼は不機嫌ボーイだよ」
「あの殴り合い以来司と口きいてねえからな」
小学生、小学生、光は胸の中で笑った。
「あっ、あのリモそうじゃない!?」
そうして止まった車につくしが居るのか皆は覗き込んだ。ドアを開けば驚くつくしの姿。
「つくしっおかえりっ!」
「なにやってたのよー先輩」
「つくしちゃん心配したよ――っ」
思い思いに皆声をかける。が、光は美作の背の後ろから覗いているだけだ。美作は首を傾げた。
「どうした?」
「…今度こそ殴っちゃうかも。だから自主的に距離取ってます」
あぁ、確かに俺じゃ荷が重いかもしれない。美作は小さく笑った。
「ど…どうして?びっくり…」
「昨日類から電話もらって」
「みんなでまちかまえてたのよー」
「元気そうじゃない、先輩」
「お帰り、つくしー」
「つくし」
優紀と和也は責任を感じ目に涙を浮かべている。
「…ごめんね」
「つくしちゃん、ごめんね。本当にごめんね」
「あたし達の家を守るためにこんなことに――」
「や…やだっ、何言ってんのよっ」
「そうよねえ、本当に好きだったらそんなのぶっち切りよねえ〜」
「桜子。おまえそーゆーこと言うなよ、司の前で」
桜子は相変わらずだった。光は苦笑い。すごい性格してる、流石に私じゃ勝てないや、だけれど面白い。
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bkm