104 [ 1 / 3 ]

「あ、優紀ちゃん?おはよー。つくしを迎えに行った車がそろそろ帰ってくるから――まで来れる?迎えに行こうか?」

うんうん、じゃあ、待ってるね。と電話を切ってから優紀が合流し、その後類が先に帰ってきた。その車にはつくしの両親と荷物。そしてそのまま先にシゲルの持つマンションへ降ろした。

「ねえ類。ほんとにここに来るのー?」

「うん、ちゃんと言っといたから、司に」

「車混んでんじゃねえの?」

「遅いわねー」

類が到着して数十分経ってもなかなかつくしの乗った車は来ない。

「つくしちゃんに会うの何日ぶりだろ、つくしちゃん元気かなあ」

「…うん」

「あれえニッシーは?」

シゲルは辺りをキョロキョロと見渡す。

「言ってなかったっけ?彼は不機嫌ボーイだよ」

「あの殴り合い以来司と口きいてねえからな」

小学生、小学生、光は胸の中で笑った。

「あっ、あのリモそうじゃない!?」

そうして止まった車につくしが居るのか皆は覗き込んだ。ドアを開けば驚くつくしの姿。

「つくしっおかえりっ!」

「なにやってたのよー先輩」

「つくしちゃん心配したよ――っ」

思い思いに皆声をかける。が、光は美作の背の後ろから覗いているだけだ。美作は首を傾げた。

「どうした?」

「…今度こそ殴っちゃうかも。だから自主的に距離取ってます」

あぁ、確かに俺じゃ荷が重いかもしれない。美作は小さく笑った。

「ど…どうして?びっくり…」

「昨日類から電話もらって」

「みんなでまちかまえてたのよー」

「元気そうじゃない、先輩」

「お帰り、つくしー」

「つくし」

優紀と和也は責任を感じ目に涙を浮かべている。

「…ごめんね」

「つくしちゃん、ごめんね。本当にごめんね」

「あたし達の家を守るためにこんなことに――」

「や…やだっ、何言ってんのよっ」

「そうよねえ、本当に好きだったらそんなのぶっち切りよねえ〜」

「桜子。おまえそーゆーこと言うなよ、司の前で」

桜子は相変わらずだった。光は苦笑い。すごい性格してる、流石に私じゃ勝てないや、だけれど面白い。

prev next

bkm
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -