「あ、ならうちの親のマンションでいいのがあるよ!」
シゲルはそこの地図を描き始める。
「親のマンションとなると仕事で使ってますよね?」
「いいや、税金対策で名義は私だし、使ってない部屋だけどライフラインどころか家具まで整ってる!」
「それいいじゃないですか」
「だな、シゲルんトコのマンションで決まり」
「なら、私鍵取りに――」
「あ、シゲルさん、待って」
シゲルが立ち上がったのを光は止めた。ん?と皆の視線は光に集まった。
「シゲルさん、家賃取ろうか」
「いやいや、いらないし」
「第一払えるわけないじゃないですか、先輩に」
桜子の言葉に光は首を横に振った。
「私の予想だとつくしは遠慮するよ。そんな豪華な所をタダで借りるわけにはいかないって。だから、格安。または条件付きだと提示するべきです」
「条件?」
「そうだなぁ…シゲルさんが貸す事になるんだからシゲルさんがしてもらいたい事、言っちゃえばいいんじゃない?例えば月に一回はつくしと遊ぶーとか、そんな簡単なものでも。で簡単な契約書作っちゃおう」
光の言葉に皆は笑った。確かにつくしの性格上ただで何かしてもらって喜ぶはずがない。だったらこちらからも条件を提示すればそれは平等になる。よく分かってる!皆は声を出して笑った。
終