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「あったまきたっ!」

廊下まで西門の大声が聞こえて光は微笑んだ。

「失礼しますー。総二郎さん、随分とお怒りですね」

襖を開けてお茶の用意を見せれば美作がすかさずそれを受け取った。ありがとうございます、小さくお礼を言ってから光は襖を閉めた。

「あれ?光、お前来てたのかよ。何で俺んとこ来ねーの?着物まで着て」

「今日はおかあ様にお茶のご教授を。皆集まってるって聞いて面白そうだから来ちゃった」

「何も面白くねぇーよ!俺は決めたんだ、絶交すんだよっ!あのバカとっ!」

絶交って。小学生か、光は笑いながら空いてる場所に座った。

「まあ落ち着けって」

「落ち着け?俺のこの顔見てそれをゆーか?」

「ぷっ」

西門のガーゼと絆創膏の顔を見て類は吹き出した。その顔は類のツボにはまるらしい。

「笑ってんじゃねーよ、るいっ!」

「だってさ、初めてじゃん。二人がやり合うなんて。見たかった」

「…類。てめえ」

「ね、どっちが強かった?」

「んー互角。やや司」

「私はパンチを受けた後の総二郎さんの綺麗な蹴りはすごかったと思います!綺麗に決まりましたよ」

そんな様子を見て西門の苛立ちは治まるどころか増幅していく。

「とにかくっ!俺はもうアイソ尽きた。口もききたくねえっっ」

「「アイソ?」」

「んなもん、みんなとっくに尽きてんじゃん?」

当然と言うような言葉に光だけはえぇー…と小さく呟いた。折角の幼馴染なんだからもうちょっとなんとかならないんですかね。幼馴染のいない光にとってそれは少し寂しく思う。

「皆さんも落ち着いて下さいよ。もうちょっと寛大に行きましょう。あ、総二郎さん、そろそろガーゼ替えます?テープ剥がれそう」

「あぁ…そろそろ絆創膏にするわ」

「じゃあ、救急セット借りてくる」

光は立ち上がり部屋を後にした。

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bkm
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