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クラッカーは買った。後はドッキリ大成功という看板もあればカンペキなんだけれど。光、そして美作とかり出された類の三人は高級ホテルスィートルームに来ていた。

「…何で俺まで」

「待ってる間暇だし、皆集まったらパーッとやろうぜ!」

「…どうでも良いけど、俺、寝てるよ」

それだけ言うと類は階段上のベッドへ向かった。ったく、類は…。あぁ、またあきらさんは苦労している。F3に挟まれて彼はとてつもない苦労をしているに違いない。光は大きく頷いてからソファーへ座った。

「あいつら大丈夫かなぁ」

美作は冷蔵庫から取り出したジュースを一口飲んでからソファーに座り込んだ。

「そうですね…まず総二郎さんと優紀ちゃんなら大丈夫ですよ。総二郎さんはフォロー出来ますからね。問題は道明寺さんとつくし。道明寺さんが普通のデートじゃなくて、ただの尾行だって事に気付いた時が怖そうです」

「………」

光の言葉に美作は何も言わない。あきらさん?光がそう言うと美作はあ、ごめん、と小さく笑った。

「…光ちゃんは総二郎の事、随分と信用してるんだな」

「…そうですか?まぁ、人としては好きですよ、あの人の事。男としては別です」

「総二郎は女なら誰でも良いからなぁ、基本は」

「…総二郎さんは女って生き物が嫌いにみえますね。あれはきっと子供の反抗心」

「……は?」

美作は素っ頓狂な声を出した。

「…私も総二郎さんも、愛とか好きとかそういう環境に恵まれてこなかったから、こういう考えに至っちゃったんだと思いますよ。女なんて、男なんてどーでもいいって」

光は小さく笑う。そして更に言葉を紡いだ。

「どうせ好きになっても無駄。希望なんか抱いた方が負け。結末が見えているからこそ一時の感情の方が美しい――…なんて。それは私なりの解釈です。もしかしたら違うかもしれないし、総二郎さんは私に本心なんか見せてないかもしれない」

「…いや、光ちゃんはよく知ってると思うよ。総二郎の事。俺らはあんま自分の事喋んねーから俺も想像でしかないけどね」

それだけで充分だ。光はそっと目を伏せた。きっと好きな感情を少しでも見せたら総二郎さんは困ってしまう。だったら良い友人のような関係のままで充分だ。

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bkm
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