「悪いこと言わねーからあとつけて――おっ、司。一緒に司に行ってもらえよ。見張ってねーと何すっかわかんねーぞ」
「そうだね。車で移動だろうからつくしがいくら走っても無駄だし、お高い所行くかも。だから、道明寺さんと一緒に行きなよ」
「なあ司。明日おまえヒマだよな?」
道明寺は顔を赤くしたままで一人様子が変だった。
「よ、よう。け、今朝は先に行って悪かったな」
そう言うのも片言だった。様子が変なのはあからさま。絶対何かあった。
「どしたの、お前」
「き、昨日あんまねつかれなくてよ」
道明寺がこうなる事と言えばつくしと何かあっただろうけど、が、つくしは何ともない。つくしはただ考え事をしているようにしか見えない。
「あれだな。ゆうべのことで俺達のそのあれがきたな。チャーミングポイント」
可愛い?
「は?」
「じゃねぇランニングポイント」
走る?道明寺もある意味絶好調だった。
「タ、ターニングポイント?」
「おい、それだ。ターニングポイントを迎えたと見た」
「つきあってくれる?」
つくしは考えた後西門と優紀を追いかけるに違いない。それに喜ぶのは美作と光。一方事情が分かっていないのは道明寺だけ。
「おねがいっ、つきあってっ!」
「つ…つきあう!?つ、つきあうって2ヶ月じゃなくてっつーことで…?」
「おねがいっ!一人じゃ無理ッ!お金ないし」
「金」
「あとその体で引き裂いてっ」
「ひ…引き裂く!?」
会話がかみ合っていないように見えるのは私だけ?光は首を傾げた。
「そうよ、ホテルに行くまえになんとかしてっ」
「ホ、ホテル!?バッバカ!おまえ女のほうからはしたねぇこと言うなッ!」
「…光ちゃん、行こうか」
ぐったりした美作は呟いた。
「…俺この二人がくっつかない理由、なんとなく分かったかも…」
「あきらさんって本当に苦労してますね」
美作が苦労している理由もなんとなく分かってしまった光だった。
終
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