91 [ 2 / 2 ]

「悪いこと言わねーからあとつけて――おっ、司。一緒に司に行ってもらえよ。見張ってねーと何すっかわかんねーぞ」

「そうだね。車で移動だろうからつくしがいくら走っても無駄だし、お高い所行くかも。だから、道明寺さんと一緒に行きなよ」

「なあ司。明日おまえヒマだよな?」

道明寺は顔を赤くしたままで一人様子が変だった。

「よ、よう。け、今朝は先に行って悪かったな」

そう言うのも片言だった。様子が変なのはあからさま。絶対何かあった。

「どしたの、お前」

「き、昨日あんまねつかれなくてよ」

道明寺がこうなる事と言えばつくしと何かあっただろうけど、が、つくしは何ともない。つくしはただ考え事をしているようにしか見えない。

「あれだな。ゆうべのことで俺達のそのあれがきたな。チャーミングポイント」

可愛い?

「は?」

「じゃねぇランニングポイント」

走る?道明寺もある意味絶好調だった。

「タ、ターニングポイント?」

「おい、それだ。ターニングポイントを迎えたと見た」

「つきあってくれる?」

つくしは考えた後西門と優紀を追いかけるに違いない。それに喜ぶのは美作と光。一方事情が分かっていないのは道明寺だけ。

「おねがいっ、つきあってっ!」

「つ…つきあう!?つ、つきあうって2ヶ月じゃなくてっつーことで…?」

「おねがいっ!一人じゃ無理ッ!お金ないし」

「金」

「あとその体で引き裂いてっ」

「ひ…引き裂く!?」

会話がかみ合っていないように見えるのは私だけ?光は首を傾げた。

「そうよ、ホテルに行くまえになんとかしてっ」

「ホ、ホテル!?バッバカ!おまえ女のほうからはしたねぇこと言うなッ!」

「…光ちゃん、行こうか」

ぐったりした美作は呟いた。

「…俺この二人がくっつかない理由、なんとなく分かったかも…」

「あきらさんって本当に苦労してますね」

美作が苦労している理由もなんとなく分かってしまった光だった。



prev next

bkm
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -