「怒られても知りませんよー?」
「光!黙ってろって」
こんな忍び込むような真似しても道明寺さんには絶対バレる。あの人の勘は動物並なのだから。光は懐中電灯を持つ西門の服の裾を掴みながら歩いていた。
「あいつ一体どこにいるんだ?」
「いつもいろんな所でねてるじゃけん」
「なんで広島弁なんだ?しかも変」
「花沢さん、機嫌良いですねぇ」
こういう冗談を言う類はあまり見た事が無い。きっと機嫌が良いに違いない。光は暗い中一人頷く。
「よーし一部屋ずつ見てこーぜ」
「朝になるぞ…」
「あのー明かりのついてる部屋調べたら…」
「えらいっ!」
「天才類くんっ!」
何か皆テンション高いなぁ。ついていけないんだけど。そう思いながらも光は微笑を浮かべながら着いて行く。
「この部屋明かりついてんな」
「でもさ、急に開けたら絶対にバレるよ」
光の注意も聞かずに西門と美作はがちゃりと音を立てた。そしてすぐにその扉が自動的に開かれる。
「あ…あれ?」
その扉を開いたのは道明寺。目には怒りが込められている。当然の事だった。
「た、大変だ。こんな所に瞬間移動を」
「ドラ○もーん、月に連れてってくれるって言ったじゃないかっ」
こ、このノリは何!?状況を把握出来ない光は手を挙げて一言。
「私しずかちゃんポジションだから、花沢さん、どうぞ!」
「そ、そんなこと言ったって…キ、キテレツくん」
「おしいっ!番組が違う…」
「しかしおまえにしちゃ上出来だ!」
殴られる西門と美作を光は類の背に隠れて避けた。
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bkm