「あ…あきら、おまえ退屈してんだな…。女と別れたのか」
「別れた…ダンナにばれて、いかったダンナに刺されそうになった」
あぁーあ。人妻ばかりに手を出すからこういう事になっちゃうんだよ。私いつかあきらさんと総二郎さんは刺されると思ってる。光は遠い目をしたまま呟いた。
「俺はあの二人がもどかしいっ!何の障害があるわけじゃねーのに、なんでささっとくっつかねえんだ!」
「い…いや、一応障害はあると思うよ」
「…総二郎さん、あきらさん怖い…」
あんまり関わるな、光の小さな声に西門は目で訴えた。
「行こーぜ!司ン家。けしかけてやる」
「の…のぞき?」
「愛とは奪うものだということを教えてやるっ!俺のようになる前に…」
「げ…元気だせよ」
がっくり落ち込むあきら。もお人妻なんてやめたと言うくらいだから余程の衝撃を受けたのだろう。光は落ち込むあきらに近付いてそっと背中を撫でた。
「大丈夫です、あきらさんには素敵な人が出来ますよ。だってあきらさんが素敵な人だもん」
「…光ちゃん、どうよ。総二郎やめて俺にしとく?」
「ん〜あきらさんも嫌いじゃないんで構いませんけど、総二郎さん結構やきもちやきだから」
「だよな…俺ボコボコにされっかも」
うんうん、二人は大きく頷いた。そういう雰囲気に西門は大きな声を出す。
「ちょっと待て!この前からお前等の妙な一体感はなんなんだ!俺のやきもちやき設定もいい加減やめろ!」
「コント見てるみたいだ、ホント」
最近楽しくて仕方ないです。夜に友達の家に集まってわいわいする事なんて今までなかったし、お酒を飲む事もなかった。煙草吸う量も減ったんですよ。まだ習い事はいっぱいあってたまに疲れたりするけれど、私の毎日は何かしら起こって充実しています。お父さん、そちらから見えますか?今の私、前よりは輝いていると思いませんか?
「ぎゃー!総二郎さんっ!頭ぐりぐりは痛いですっ!」
終
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