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「はい、どーぞ。花沢さん、甘いの苦手なんだよね。ゼリーでも良い?」

「うん、ありがと」

ん〜私は何を食べようかな。モンブランか、王道にショートケーキか、それともティラミスにチーズケーキ。こう悩むんだったら全部同じ物を買ってくれば良かったよ。今日はいっぱい甘い物を食べたい気分だと言うのに。

「お前は緊張感無さ過ぎだ!」

「いたっ!何も叩く事ないのに…」

「で?どうやって闘うの」

光は西門に叩かれた頭を擦りながら定位置へと戻った。そしてショートケーキを取って、フォークで突付き始めた。

「どうやってって…」

「相手はホテル王だぜ」

「…それが何だってのよ。同じ人間じゃないのよ」

「甘いっ」

「おまえのことなんざひねりつぶすの簡単だぜ」

グシャッと。

「うっうるさいなああんた達はっ、応援したりおどかしたりっ」

「同じ人間として戦うならそりゃ簡単だよ。つくしなら何も教えてあげなくても一発KO」

だけど、実際はそんな簡単なものじゃないんだよね。最後の苺を食べてショートケーキは無くなってしまった。

「あたしはとにかくぎゃふんと言わせてやりたいのよっ!」

「べつにおどかしてるわけじゃねぇよ。具体的にどうやんのか聞いてんだよ」

「い…いい女だと認めさせてやるとか」

それに大きな溜め息を吐く西門と美作。つくしも照れるくらいならやらなければ良いのに。

「ねぇねぇ、総二郎さん。総二郎さんのモンブラン食べていい?」

「お前はさっきから空気読め!何でそんな能天気なんだよっ!」

「…お腹空いたら考えも乏しくなっちゃうよ。どこかで糖分補充しないと」

そして大きな溜め息は再び流れた。あぁ、もう、これやるからお前いいって言うまで黙ってろ。光はモンブランを貰って小さく頷いた。

「司とつきあうってこと?」

認めさせるというのはつまりそういうこと?類の疑問はそこだ。

「そ、そうじゃないわよっ」

「おっそれいーじゃん」

「母親ぶっちぎって息子とつきあう。それが一番きくよな」

「何言ってんのよっ」

確かに既成事実を作ってしまえばどうしようもなくなるかもしれない。あの人も一応人の親なのだから、孫が生まれれば…自分で思ってこれはないなと却下した。

「ガキでも作っちまえばこっちのもんじゃん?」

西門と同じ考えで尚更言わなくて良かったと光は思った。

「だめだって。橋の下に捨てかねねーよ、司のかーちゃんなら」

「う〜ん」

「牧野殺してガキも殺すか…」

あの人ならやりかねないのか。確かにそれを想像出来てしまう自分が居た。

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bkm
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