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「ところで話変わるんだけど…道明寺さんのお母様の事、大丈夫かな…?」

「…俺らもこのままで終わるとは思ってねーよ。なんとしても阻止してくるだろうな。司もあの調子だし…下手したら牧野に何かしかけてくっかも…結構えげつないようなやつ」

だろうな…光もそう思っていた。あれだけ息子に入れ込んでいればそのままにしておくはずがない。道明寺を転学させるか、留学させるとか。それよりも先につくしに何かしかけてくるか…。

「…つくしが一番嫌がる事って何だと思う?」

「さぁな。今親父は無職だって言ってたからなー…それ以上のどん底って何だ?」

「……つくしの周りの人に迷惑がかかる事、私はそれだと思う」

それが取り越し苦労で終われば良いんだけどね…。光は新しく頼んだココアラテを飲んだ。

「つくしに何か変わった事はないか聞いてみるよ」


そうして光がつくしに会った時、つくしは激怒していた。その隣の優紀も一体何があったのかと慌てている。

「ちょっと待ってつくし。一旦落ち着こう。一から説明してくれる?」

「…あいつの母親が5千万円持って家に来たの。息子と別れてくれってね。当然断ったわよ。そしたら呼び出されたの。そこに行けばあいつの婚約者ってのが現れて……あいつその婚約者連れて逃げたのよ!」

「ねえ、つくし、もしかしてショックだったんじゃないの?道明寺さんに婚約者がいて――」

そもそも道明寺が二股なんて出来るはずがないだろう。

「まさかっ。なんでショックうけんのよ、あたしがっ!決着つけにいったのよ。これで全部丸くおさまるじゃんっ」

あぁ、つくしは道明寺さんに婚約者が居てショックだったんだな。そう思ったが、それを口にしたらつくしは怒りそうだからと光は口を閉ざした。そして考える。息子と縁を切らせる為に5千万用意する親、か。

「光!もーむかついてるからあいつに恥かかせる!これ西門さんには絶対言わないでよね!あの人口軽いから!」

「…あ、うん。それは良いんだけど……つくし、気をつけてね。道明寺さんのお母様は本当に何をしてくるか分からないよ。何かあったら私でもF4でも誰でも良いから言って」

「え?あ、うん…」

本当に分かっているんだか。何も無ければ良い、本当に何も無ければ。何も無い時なんてある?私だっていつまでもこのままじゃ無い事は分かってる。…私もそろそろ本当の事を総二郎さんに言わなきゃいけない?この時をただ楽しむのはご法度?…いいじゃない、バレるまで黙っていても。いつか、私があの人に嘘をつけなくなる、その時くらいまで。



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