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「けけ、結婚!?あ、あたし帰ります!」

そんな事を急に言われても。つくしは理解出来なくなり踵を返した所を捕まった。

「ちょっと待て牧野!」

「いやっ!あたしは誕生日のお祝いに来ただけでっそんなの聞いてない!」

「いいから聞け!俺達みたいな親が事業家の家の子供っていうのはみんなそうなんだよっ!」

西門は大きな声を出した。それにつくしは思わず黙る。

「幼稚園からエスカレーターの学校にガキ入れるのは将来跡取りに悪い虫がつかねーようにするためなんだよ。うちだってそーだぜ。女とつきあってるなんて知ったら大騒ぎだぜ」

「興信所使って相手のすべてを調べつくすぜ。ましてや財閥の息子の司なんて将来重大だかんな」

「政略結婚…?」

「トーゼンじゃん。ここにいる奴らみんなガキの頃からたたき込まれて育ってるよ。俺らだって好きで婚約してんじゃねぇ」

光は小さく頷いた。そういえば光は好きな人が居ると言っていた…ちゃんと光にそういう説明を受けたのにどうしてあたしは忘れていたのか、いや気にしていなかったのだ。自分には関係無い事だからと思っていた。

「俺らだってだてに女と遊んでるわけじゃねーよ。自分の選んだ女とは所詮結婚できねーし」

「俺なんか年上女と遊んでるなんて知られたら殺されるぜ。パンピーがうらやましいぜ」

「だから今日は司のためにお嬢のふりしてやってくれよ。頼むっ。どーせ二人は結ばれない運命なんだからよ」

結ばれない運命…。光はその言葉が妙に引っかかった。その運命とやらはどこで決まる?生まれた時から私の将来はこうなる事が決まっていた?他人が決めた運命じゃないの、これは。

「光、どうした?」

「総二郎さん、いつか本気で好きな人が出来たら婚約破棄しても良いよ」

「はぁ?」

「道明寺さんみたいに戦ってみるのも悪くないかもよ?」

「…バーカ。俺はそういう熱いのはめんどくせーし、第一誰かを本気好きになんねぇよ」

そう、私と同じ。だからこの関係を続けていられるんだね。



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bkm
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