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「光ちゃんはさ、困ったら誰かに相談する?」

「…します。やっぱり分からない事は人の意見を聞きたくなります」

「困った人、困った人が近くに居る人。聞いただけじゃ二つのパターンしか無いけど、もっと詳しく分類出来ると俺は思うよ」

美作の言葉に光は首を傾げた。

「困ったら、相談する人に相談しない人、気付いてもらうのを待ってる人、自分で全部解決しちゃう人、ずっと解決しないまま持ってる人、困った人が近くにいる人も、気付かない人に気付いているけど声をかけない人、かける人。言ってくれるのを待ってる人…考えただけでもきりがない」

「…はい」

「牧野はさ、きっと全部自分で解決しようと努力するタイプなんだよ。友達には何も言わない、とかじゃない。心配かけないように、自分で解決するタイプ。そこには友達だから、って事は牧野ん中には無いんじゃないかな」

確かにつくしは自分の事よりも他人を心配してしまうタイプ。もしつくしが大変な状況の時私が人生相談でもしたら、つくしは親身になって聞いてくれるだろう。一緒に悩んでくれるだろう。

「だからさ、結局は光ちゃんがどうしたいかなんじゃないかな。牧野を問いつめて聞くのも良いし、待ってるのも良い。でも俺のお勧めは待ってる方ね」

「どうしてですか?」

「相談して来ないのはまだ牧野が戦ってる証拠だろ?そんでどうしても耐えられなくなった時に声をかけてくると思う。光ちゃんは何も分からなくても、何を知らなくても、いつでも話を聞いてあげられる状態でいれば良いんだよ、それで光ちゃんまで悩んだら足の引っ張り合いだろ」

確かにその通りだと思った。つくしが相談して来ない度に毎回毎回悩んで誰かに相談して。結局そんな自分が周りに心配かけて、慰めてもらう。

「それに光ちゃんはグダグダ悩まないタイプだろ?物事はっきり言う子だと俺は思ってる。だったらそれを牧野に言うのもありだな」

美作のからかう様な言葉に光は笑みを浮かべた。

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bkm
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