一体何があったのか、道明寺はつくしの話をするとあの女…だの、どうやらクリスマスに何かあったらしい。光が嘘をつく隙間も無い程怒っているようだった。怒った道明寺は電話を取り出してどこかへかけ始める。道明寺の家に来たは良いが良い方向へ進んではいない雰囲気。
「てめぇが来るなら俺ァ行かねえからなっっ!」
それだけで相手が分かってしまった。
「おいっ司。そーゆうこと言うなってっ!」
「何のために俺達がこのクソ寒い中団子なんて売ったと思ってんだよっ!」
あんた達が勝手にやった事だと思うけれど。光はソファに座りお茶を飲みながら何で自分はここにいるんだろうと言う疑問を抱いていた。
「こんな貧乏女俺んちの別荘に泊めたら別荘がインク臭くなるだろっ」
「…インクじゃねーよ。インキだろ…」
「だいたいあの女に海外なんて猫とスッポン、ゼータクきわまりねーだろっ!」
インクくさいって画家の家か。猫とスッポン?光は想像してみる。ただ可愛らしい動物達の図しか出てこなかった。
「…あのね、猫に小判。月とスッポンでしょ」
「そーゆことだから来んなよっ、じゃあなっ!」
何を言われたのか知らないが、道明寺は少し話しを聞いた後荒々しく電話を切った。それに光はビクリと体を強張らせた。
「俺ぁ行かねーからな。絶っっ対行かねーぞ。行きたきゃてめーらで行けっっ!」
その言葉を聞いて西門は立ち上がった。それに合わせるように光も立ち上がる。分からないけれど、西門がいないならば道明寺家に居ても仕方ないと言う事だ。
「あっそ、わかったよ。んじゃおまえは休み中一人ってことで」
「おいっ総二郎っ」
「類。おまえ牧野ゲットしちゃえよ。司はどーでもいいらしいからよ」
「あ、そう。じゃあそーしようかなあ」
「だとよ。行かねーよな司」
それだけ言うと三人は部屋から出て行く。その後ろを光はパタパタと着いて行った。本当に道明寺は行かないで良いのか?そんな不安だった。
「くっくどいっっ!行かねーって言ったら行かねぇぇっ!」
部屋の外まで聞こえる声で道明寺は叫んでいた。