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「…なんか…聞き覚えのあるこの台詞」

「…あの4人、F4にそっくり」

光は自分でそれを言ってから小さく笑った。あの生意気そうなのも彼らの幼少期のイメージとがっちり一致したのだ。それからつくしは周りの目を集めた。子供と同じように本気で競って笑って。それがつくしらしさだった。挙句の果てにつくしはあや乃までも巻き込み皆でなわとびを始めたのだ。

「司、何ボーッとしてんだよ」

「…あいつ子供の中にいると女神のよーに見えないか」

道明寺の言葉に西門と美作は転げ落ちた。光は小さく笑う。本気でつくしが好きなんだな、この人は。そして制限時間終了の合図。つくしとあや乃は握手を交わしていた。子供達はどちらと遊んだ方が楽しかったのか移動して下さい、それに座り込む子供。

「おれはどっちかえらぶなんてできない。みんなで一緒に遊んだじゃないかよっ」

一人の子供を皮切りに子供達は誰も動かなくなった。

「どーなってんの、これ」

この競技が決まらない為、急遽正式審査員による総合審査となってしまった。流石につくしはあや乃には勝てないだろう。予想通り優勝者にあや乃の名前が呼ばれた。

《そして今回は特別賞を設けております》

健闘したという事で審査員特別賞、

《賞金30万円が牧野つくしさんに贈られます》

それに驚いていたのはつくしだけ。会場にはつくしに向けた拍手が起こった。

「…ま、あれだな。ボンビーにしちゃよくやったじゃねーか」

「特別賞おめでと」

「スゲーじゃん、準優勝だぜ準優勝!」

「おつかれさん。よくがんばったじゃんか」

「つくし、おめでとう。凄かったよ!」

「う…うんっ」

思い思いにつくしに声をかけた。そのつくしは嬉しそうに微笑んだ。

「おつかれさま、つくしちゃん。おめでとう特別賞」

「――お姉さんありがとうございました!」

「おーし、せっかくのクリスマス・イブだけど、牧野の祝賀会としてくり出すかっ」

それにつくしは用があるから先に行っててと慌てて会場から飛び出して行った。

「お、光嬉しそうじゃん」

「楽しみなの!」



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