光とつくしは別室で着付けを始める。少しは習ったようだから私は見ていて注意してあげるね。光はつくしが着付けるのを横で見ていた。
「…ねぇ、つくし。聞いて良い?」
「ん?」
「…どうしてティーン・オブ・ジャパンに出る事にしたの?道明寺さんに言われたから、って理由じゃつくしは出ないよね?」
それだけの理由で出るとは思えない。もっと別の何かがあると思ったのだ。
「…お父さんがリストラされたって記事は読んだでしょ?」
「うん」
「それでね、お父さんがサラ金に手を出しちゃって…あいつに100万借りた。そうしたらその賞金で返せって言われたから、あたしは出る事にした」
「…そう」
光は小さく呟いた。そうだったんだ……。ここで寂しがってはいけない。つくしの周りには軽く100万円を貸せる人達が多くいる。その中でつくしは道明寺を選んだ、ただそれだけだ。
「つくしがどう思おうが私はつくしの友達だからね!」
「え、急にどうしたの?そりゃあたしだって当然光の事友達だと思ってるし」
「…じゃあさ、落ち着いたらお茶しに行こうよ。優紀ちゃんも誘って。で、帰りは家に泊まって」
「うん、別にいいけど…むしろ嬉しいし」
それを聞いて光は大きく頷いた。
「聞いたからね!約束!はい、つくし、そこ押さえる所違うよ、最初からやり直しね」
「えぇ!?スパルタ!」
「あはは、私例え友達でも妥協はしないよ?」
声を出してお腹から笑う光の声と、何でそんなに笑ってるの!?そう聞くつくしの声が重なった。
終
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