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「何だ、宮永!お前も分かってんな!」

そ、そりゃどうも。とは道明寺には言えるはずもなく光は今度こそつくしの場所を知らないか訊こうとするもまたも声になる前に遮られる。

「でもよ、もう今回の候補者決まってんだろ?投票だっけか?一学年につき一名」

「はぁ?そんなもん辞めろって言えやいいじゃねぇーか」

「…なんつー暴挙」

道明寺の言葉に周りは溜め息を吐いた。

「二年代表ならいないよ」

「はぁ?何で?」

「選出されたの私だから。断るから後で校長室行く」

だから、その前につくしを探そうとしてるんだってば!そう言おうとすれば皆の視線が光に集まったまま止まっている。

「…何ですか…皆さん」

「…いや、お前黙ってりゃ美人なのにな…」

「…喋ると印象違うよね」

「…おしとやかで清楚なお嬢様は口を開くといなくなる…」

「宮永、お前牧野の為に協力してくれんだな、案外いい奴だな…」

若干一名違う事を言っているが、皆思い思いに失礼な事を言ってくれる。いらつきをなんとか笑顔で堪えて光はつくしを探しに色んな所を探したが、その日つくしを見つける事は出来なかった。



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bkm
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