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露に晒された膨らみ
──その後
デニムのパンツも抵抗虚しく簡単に剥がされてしまい、身に付けているのは下着のみ…
「うぅ…ズズッ……ヒッ、ク…」
諦めにも似た絶望感が、涙となって次々と止めどなく溢れてくる
「クックッ…まさか、初めてなわけじゃないだろう?各務さんは、いつもどうやって抱くの?激しい?―――大丈夫だよ。これから、涙も忘れるくらい気持ち良くしてあげるから…」
耳元で囁かれる生温い吐息
気持ち悪い
お願い…誰か……
私の悲痛な胸の内などまるでお構い無しに、フロントホックに手が掛けられた
「ヒクッ…う……やぁ…」
パチンと音を立てゆっくりと開かれる
「綺麗なピンク色だ…」
耐え難い羞恥
奈生さんは、食い入るように繁々と眺めている
「やだ…やぁ…だっ……うぅ…」
その視線に堪えられなくて、逃れたい一心でギュッと目を瞑った
「美味しそうだ」
「……んっ!!!」
──突然
閉ざされた視界の中で、ひやっと冷たい感触が肌に触れた
指先が蕾の周りを焦らすようにゆっくりと円を描いている
「―――っ…やっ……」
「へぇ〜、感じやすいんだ?」
「違っ…」
「そう?じゃぁ、じっくりと確かめさせてもらうよ」
その言葉を合図に、ザラッとした湿った舌が動き始める
首元、鎖骨…脇、胸…お臍の辺り…
隅々まで味わい尽くすように這いずり回り、至るところをきつく吸い上げ紅い印を残していく
焦らされてすっかり堅くなってしまった蕾は口に含まれ
舌先で捏ねるように転がされる
もう片方の蕾は指先で揉みしだかれ、キュッと刺激を繰り返し与えられた
「……んっ…っ…やぁ……」
「全く、素直じゃないなぁ〜。気持ちいいなら鳴けばいいのに…」
「…っ…そ……な…事……な…い…」
奈生さんの言う通り
否定はしていたけど、裏腹に体は反応していた
嫌なのに……
恭一さんじゃなきゃ嫌なのに…
こんな浅ましい自分が憎い
「でも、こっちは……」
そう言いながら足の付け根に手を伸ばし、下着の上からなぞり上げた
「……あっ…」
「濡れてるよ…?期待してるんだ?」
―――私、最低だ…
「ははっ。各務さんもいい具合に仕込んだもんだ。今の美羽ちゃんのこの姿、各務さんにも見せてあげたかったな…」
そうやって…
恭一さんの名前をわざと出す事で、私を煽っている事に気が付いていた
私がより深く傷付くように
自分の愚かさを呪うように……
恭一さん
ごめんなさい…
側にある窓から覗く月灯りをぼんやりと眺めながら、静かに一筋の涙が伝い落ちた―――――――……
「美羽…」
どこからか、私を呼ぶ声がする
空耳?
「美羽!美羽!!」
その声は徐々に大きくなる
───バァーーーン!!!
「美羽!!!」
諦めていたその時…
扉を抉じ開け、私を呼ぶ確かな声が耳に響いた
薄暗い部屋の中
そこに現れたのは………
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