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〜ミケーレside〜









───次の日





出勤すると、真っ直ぐオーナールームへと足を向けた









――――コン、コンコンッ…









「は〜い。どうぞ〜」




ノックをした後、中にいる妙子の返事を聞いてからドアを開ける







「あら!?おはよう、ミケーレ。今日はいつもより早いのね」




「おはよう、妙子。それより美羽は……」







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───昨日




突然、子供のようにワンワン声を上げて泣き出した美羽





その胸を抉られるような彼女の悲痛な叫びに、何も声を掛けることが出来ず


僕は、ただ黙って美羽の背中を擦り続けた






琢磨やマコも心配して集まって来たが、人は少ない方がいいと思い、他の皆には帰ってもらった








そして、暫くして美羽が落ち着いた頃



連絡の取れなかった妙子が仕事から戻って来た






美羽の泣きはらした顔を見て初めこそ驚いていたが、何かあったのだとすぐに感じとった妙子は



“美羽ちゃん、今日は家に泊まりに来ない?ねっ、そうしましょ?”




と提案してくれ、そのまま妙子が連れて帰ったのだった……








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「美羽ちゃんは今日1日休んでもらう事にしたわ。だいぶ落ち着いてはいたけど、あの泣きはらした顔じゃぁね、痛々しくて……。それに、今日から長谷部君だけこっちに戻る事になってるから、ホールは長谷部君に回してもらうようにするわ」




「そうかい。千秋がいるなら安心だ。ところで、妙子………」







「…美羽ちゃんと恭一君に何があったか?…でしょ?」






妙子にはすっかり僕の心内がお見通しのようだ





決して口に出しては言わないが、僕の彼女に対する秘めた想いにも気が付いているだろう…










それから妙子は、昨日、美羽から聞いた話を僕に話し出した



















あぁ…何て事だ


僕が“恭一に会いに行ってみるといい”なんて言ってしまったばっかりに、美羽を苦しめる結果になってしまうなんて……






ギュッと胸の奥が締め付けられ、息苦しくなる







それに…その高山とか言う男……




明らかに、二人の間に割って入ろうとしているとみて間違いないな









「ねぇ…ミケーレ?」




ハッと妙子の呼び掛けに我に返る






「あの二人、大丈夫かしら?案外、似た者同士だから余計拗れちゃうんじゃないかって…私、明日から一週間大阪へ出張なのに、こんなんじゃ心配で仕事どころじゃないわよ…」




「妙子、仕事はキッチリしてもらわないと困るよ。二人の事は、僕も出来るだけフォローするし…――――ただ、今は、恭一には冷却期間が必要かもしれないね」



「そうね…ミケーレにこんな事頼むのは酷だけど……お願いね」





妙子が申し訳なさそうに顔を歪めた






だから、僕は言ったんだ







“Io sono ogni destra”
(僕なら、大丈夫だよ)







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bkm



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