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────コンコンッ…









!!!



控え目に…そして、短くされたノック







それは、すぐ聞き分けられるくらい日常の恭一さんのノック
















どうしよう……






いつもなら、嬉しいはずの恭一さんのノックも、今は不安と緊張を増幅させるものでしかない









……大丈夫…いつも通り…





気持ちを落ち着かせようと心の中で呟き、大きく深呼吸をした








「……はい、どうぞ」










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〜恭一side〜









中から、美羽さんの返事が聞こえた








春原の見間違いに決まってる





彼女が、そんな事するはずがない…








願望にも似た複雑に絡む気持ちを抱えながら、ドアノブをゆっくりと捻る







まるで、今から審判が下されるような気分だ














「恭一さん!!どうしたんですか?こっちに来るなんて珍しいですね。あっ、そっか!今日はあっちはお休みですもんね」





「………」






何処となく、いつもより饒舌に感じる彼女










「恭一さん?」







何も言葉を発さない私を不自然に思ったのか、美羽さんは座っていた椅子から立ち上がり、首を傾げる














「……美羽さん…昨夜は何をしていたのですか?」






「えっ、あ…」




私の言葉にピクッと身体を反応させ、明らかに狼狽を見せた彼女









そんな不自然な彼女を見ても尚、どこか彼女を信じている自分がいて…








「言えないのですか?」




私は、美羽さんの潔白を証明する為、そして自分の為に


彼女の元へ近付き、俯いたままの顎を持ち上げた






















けれどそこには、春原が言っていた通り、認め難い事実がハッキリとあった











どうして…








目を背けたくなるような事実








まるで、弱っているところをさらに鈍器で殴られたような衝撃












知ってしまった事実は私の思考を奪っていく










私は無意識に
彼女の制服のシャツに手を伸ばし、首元の鈕を1つずつ外していった









これ以上、何を知ろうと言うのだ…






この先にあるモノは、暗でしかないというのに…









「あ、やっ…」




美羽さんは、首元のシャツを握り締め抵抗を見せたが、私は構わずその手を退かし、胸元を開いた









一番上までしっかりと鈕の留められた白いシャツ






外したそこから見えた白い肌には











真っ白のキャンパスに描かれたように鮮やかな















深紅の華が無数に咲き乱れていた―――――――……


















bkm



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