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〜恭一side〜






久し振りの休日だというのに、私の気分は優れなかった






読みかけになっている本を開いてみるが、内容が全く頭に入ってこない









フゥ……




本を閉じ、壁に掛けられた時計に目をやると、昨夜掛かってきた一本の電話を思い出した――――――……















いつものように夜遅くまで店に残り、売上集計をしていたところへ鳴り響いた店の電話









その相手は詩音さん






受話器を取り、耳に当てると同時に、興奮した様子で一気に話し出した彼女














「恭一さん、大変ですよ!!恭一さんの彼女が、相馬竜司似のイケメンと二人っきりでいるところを見たんです!!!今、男が彼女の腰に手を回しながら行っちゃいましたけど…何だか、これからホテルにでも行くようなラブラブな雰囲気でしたよ?彼女もウットリした顔しちゃって!!彼女も恭一さんがいながら、よく浮気なんかしますよね〜、もー信じらんない!!」






あまりの衝撃に、最後の方は耳に入っていなかった












いや…そんなはずないだろう…





美羽さんに限って有り得ない





見間違いじゃないのか?











そう思いつつも、胸に広がる一抹の不安…








確かに…アマートへ来た日の帰り際、様子が少しおかしかった気もするが…





けれど、その後送ったメールでも、彼女はいつも通りだった








気のせいだと思っていたが…違うのか…?










詩音さんの言葉をそのまま鵜呑みにするつもりもないが、私を不安にさせるには十分だった






考えれば考える程、不安は染みのように広がり、私は居ても立ってもいられず、店の電話から彼女の番号を押していた










けれど、電源が入っていないのか…この日、彼女と連絡が繋がる事はなかった―――――――……














そして、今朝も連絡してみたものの、美羽さんの声を聞く事は出来ない






メールにも何の反応もない…







連絡出来ない何か…があったのか…?











昨夜から胸に広がる不安が徐々に色濃くなり、その想いに支配される












――――確か…今日、美羽さんはシフトに入っていたな…?







私は、閉店時間になったらアモーレへ行く事に決めた






彼女の口から一言「違う」と聞けば、この不安も解消されるだろう







彼女に限って、そんな事
あるはずがないんだ――――――……
















bkm



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