プロテインウォーターCM編
(2/7P)









「――――で、ここでターンをして……」







チッ、何で俺がこんな仕事…






「……という感じで頼むよ!隼人君!!」






「えっ…あ、はい。分かりました」






監督に絵コンテを見せられながら動きの説明を受けていたが…





どうにも集中できねぇ!!










それも、これも………











この衣装のせいだ!!







何だよ!?この衣装!









白タイツ履いてるみたいじゃねーかよ!!ヽ(`д´)ノ





筋肉見せるのが目的だか何だか知らねーけど、乳首は透けて見えてるし


ピチッと貼り付いて、股間の膨らみがもろ目立つっーの!!





マネージャーの野郎、勝手にこんな仕事入れやがって…






ハァァ…マジ、やりたくねぇ…









衣装を少しでも隠す為に、羽織っていた紺色のガウンを組み直し、用意されていた椅子にドサッと腰を下ろす















「やぁ!隼人君、おはよう!!」




するとそこへ、俺の沈んだテンションとは打って変わって弾んだ声







「あ、相馬さん、おはようございます。何だかやけにテンション高いっすね?」





しかも、この人ガウン羽織ってねー…



もろ、股間が目立ってんだよ!!




何気にデカイし……(。_。)




ハッ!――――思わず、自分のと比べちまった///







「あぁ…そりゃ、そうさ!このCMの話が来た時には、運命を感じたからね」








――――運命?





何でこんなのが運命なんだよ!?






うわっ、張り切ってスクワットし出した( ̄▽ ̄;)





あの筋肉の付き方…


どう考えても細マッチョじゃなくて、ゴリマッチョ側だろ!?




誰だ?キャスティングした奴






はぁぁぁ〜…


相馬さん見てたら、余計憂鬱になってきたぜ…

























「はい!カット、カットォーー!」



撮影開始から、これで20回目のカットがかかる





「ん〜、隼人君。もっとオーバーアクション気味に動いてもらえるかな?竜司君ぐらいにさ!」





はぁ?!


この人の異常なテンションになんか、ついていけるわけねーだろ!ったく…





ここまで何とか仕事用のスマイルを保ってきたけれど、それももう限界だった






「う〜ん…じゃぁ、一旦休憩入れようか?」













〜休憩中〜







「あっ、隼人さん!!」





背後から聞こえたその声に振り返ると、そこには手を振る美羽が立っていた




「お、おう///何だ、お前来てたのか?」





突然、現れた人物に心臓は煩く騒ぎ始める






俺は密かにコイツの事を想っていた







「はい。これから、Bスタでバラエティーの収録なんですけど、まだ時間があったので覗きに来ちゃいました!」




美羽はペロリと舌を出して笑う





クッ……や、やっぱ、可愛いな、コイツ///




この屈託のない無邪気な笑顔にやられない男なんていないだろ!?









――――それにコイツは…顔はもちろんだけど、それ以上に中身が最高にいい女だ






嫌になるくらい汚れきったこの芸能界に全く染まらない…珍しい奴








それなのに







それなのに何で






そんな美羽が、相馬のおっさんなんかと付き合ってんだよ?







有り得ねー






その相馬さんは、未だに美羽に気付かずフンフン言いながら腕立てしてるし……(--;)








こんな男のどこがいいのか全く理解不能だ











「隼人さん、その衣装似合ってますね。隼人さんて、凄くいい筋肉してるし、そのラインが綺麗に出てて素敵ですよ(^q^)」









…………///





「そっ、そうか?…いや、自分でも分かってっけどよ///」





さすがは、美羽だな。よく分かってる





やっぱ、いい女だよな…












そこへ、いい感じのやり取りをしていた俺たちの元にイラッとする男の声が――――…









「美羽!来てたのか!?ほら、俺を見てくれ!だいぶ、美羽好みの細マッチョになっただろ!?」







―――チッ、割り込んできて邪魔すんなよ!
しかも、そのボディービルダーみてぇなマッチョポーズは何なんだ!!








「……竜司さん、殆ど前と変わってませんよ?(~_~;)」








Σ( ̄□ ̄;)←注:相馬




「そ…そんな……。あんなに細マッチョになろうと努力したのに…orz」






「……竜司さん?―――――あのね?私は確かに隼人さんみたいな細マッチョの方がタイプですけど…でも、それだけで人を好きになるわけじゃないですよ!?ゴリマッチョで筋肉バカでも、私は竜司さんの中身に惹かれたんです///――――例え、竜司さんがハゲでもデブでも、私は竜司さんがいい!!」







「美羽……(´∀`*)」




「だから、落ち込まないで…ね?」








な、何なんだ、この会話……



美羽も言ってる事、何気に酷くねーか?






こいつらって…











「お〜い!竜司く〜ん!!」





その時、監督が大慌てで俺たちに駆け寄って来た







「…ハァ…ハァ……。あのさ、悪いんだけど…実は、竜司君…ゴリマッチョの役でキャスティングされてたみたいなんだよね……。スタッフの手違いで、細マッチョの方になっちゃってたんだけど、今、本当の細マッチョ役の中西君が遅れて入って来たから…」










Σ( ̄□ ̄;)ガーン…
↑注:相馬




「やっぱり、俺はゴリマッチョなのか?…orz」









やっぱりな!(≧3≦)σ
↑注:白鳥






「竜司さん、負けちゃだめ!!どんな仕事も、全力で…でしょ?さぁ!立ち上がれ!立ち上がるんだ、相馬!!」





「美羽……(´ω`*)」




床にしゃがみ込んだ相馬さんの手を取り、明日のジョーをパクった台詞で励ます美羽







そこは完全に2人の世界







…………( ̄▽ ̄;)






――――何だか案外、この二人…似合ってんのかもな






俺には、この世界…2人の独特のワールドっーの?






ついて行けねーわ…(--;)






















こうして


見事立ち上がった相馬竜司は、ゴリマッチョの覆面を被り



隼人と京介は細マッチョに扮し







――――その後…





無事に撮影を終えたCMが、お茶の間に放送されたのであった…





覆面の下の素顔が、【相馬竜司】だとはスタッフ以外、誰も知らない―――――…











-fin-


bkm




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