終わらない奇跡
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「ハァ、ハァ…遅なってスマン…ハァ…美羽ちゃん、誕生日おめでとう!」




開けた玄関の先には、息を切らして汗をかいた…でも、笑顔全開の慎之介さん






そして、後ろ手から差し出された沢山の真っ赤な薔薇の花束





「美羽ちゃん、俺の燃えるような真っ赤な情熱を君に………うわ、あっかん///自分で言うといて恥ずかしくなってもうた///」




「ふふふっ。ありがとうございます///でも、今日、慎之介さん仕事で無理だって…」





「そやったんやけど、美羽ちゃんの為にハイパー慎ちゃんに変身して、ちゃっちゃっと終わらせて来たんよ」






慎之介さんは、仮面ライダー(?)のような不思議な変身ポーズをして見せる





その姿が余りにも可愛くって、思わず吹き出してしまった







「あっ!笑ろうたな!?そんな美羽ちゃんには、プレゼントはやらん!!」




「えっ!?ウソウソ!!ごめんなさい。何?何?教えて、慎之介さん」





上目使いでねだる様に言ってみたけれど、慎之介さんはそっぽを向いて頬をプクッと膨らませている







「ん、もぉ〜。じゃぁ、これで機嫌直して?」











―――――チュッ…








慎之介さんの唇にキスをした









「………(〃∀〃)」






「機嫌直った?」






「うん(*≧∀≦*)直った!!」









こういうとこ、ホント子供みたいで可愛い///











「あんな?実は…花束はオマケみたいなもんで、本当のプレゼントはな………コショコショコショコショ………」





耳元に手を当て小さな声で囁いた慎之介さんの言葉に、思わず叫びそうになる程驚いた








だってそれは、ホントにビックリなサプライズだったから………















◇◇◇






「え?ええっ!?ちょ、それ、どういう事ですか?明日から5日間もオフだなんて!山田さんだって、明日は朝早くから仕事だって言って…」




「ははっ。めっちゃ驚いた?あんな、実は…サプライズで何かしたくてな?山田さん、拝み倒して無理矢理オフ作ってもろたんや!みんなにも協力してもらってな♪」





「慎之介さん…」





「ほんまは、誕生日当日の今日からオフにしたかってんけど、俺の方がどうしても都合つかんくて…堪忍な」





「えっ…じゃぁ、慎之介さんも?」





「そや!俺も明日から5日間オフ!!ほんで、このオフを使って“バースデーフィジー旅行”に行きま〜す♪」





「ええーーっ!!フィジー…って外国の!?」




さっきから慎之介さんに驚かされてばかりで、思考がついていかない







「他にどこがあんねん(笑)5月やと雨期が終わってベストシーズンやし、水上コテージに泊まったり、ダイビングとかも出来るし。美羽ちゃんとめっちゃ楽しい思い出作りたいねん♪それから、いちゃいちゃもしたいしな///」





最後の方が、ごにょごにょと小声になっていって、珍しく照れた顔を見せる













慎之介さんの気持ちが…









山田さんの気持ちが…













オフを作ろうと動いてくれた皆の気持ちが……







嬉しくて








嬉しくて………









私は、こんなに色んな人の愛に恵まれているんだな










「ありがとう。慎之介さん………大好きっ(>_<。)」






「ははっ。泣くほど喜んでもらえて良かったわ♪
で……オフ作る為にめっちゃ働いたから、俺、美羽ちゃん不足で死にそうやねんけど…ギュッとしてもええ?」





「ふふっ。ギュッもいいけど、いちゃいちゃもしたいな///」





「(〃∀〃)美羽ちゃん…そないな事言うと、寝不足で飛行機乗れなくなるかもしれんよ?」





「それは困ります…――――じゃぁ、今日は程々に…ね?」





「う〜ん…残念やけど、そうした方が良さそうやな」














日付が変わったら、年に一度の私の誕生日は終わってしまうけれど






慎之介さんがくれた








とっておきの奇跡












私の誕生日は、まだまだ終わらない―――――――……


















-fin-


bkm
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