君想ふ:松田(2/2P)
ポカポカ陽気の気持ちえぇ
日射しの柔らかな桜舞う季節
俺は一人の女の子と出会った――――――………
隣のクラスに来た東京からの転校生
――――そう…
桜のようにフワリと柔らかく微笑む彼女の出現で
俺の頭痛の日々は始まったんやった―――――……
キャハハハハッ…
「それでね、その後ね…」
朝
休み時間
昼休み
放課後
足繁く俺の元へ通うこの女
「あ〜、もう…うっさいわ、ほんまに……。少し黙ってられへんのか?ピーチク、パーチク喋りおって…」
苦手やねん
うっさい女
黙ってれば、そこそこ可愛いのに…
俺は物静かな大和撫子が好きやねん
「だって、松田君が好きなんだもん…」
「―――はぁ…美羽、何回目やそれ?毎日、毎日…もう聞き飽きたわ…」
俺がどんなに嫌な顔をしても、めげずに気持ちを投げて来よる
「だって…松田君って根暗でしょ?自分からガンガン行かなきゃ、実らないじゃない」
―――悪かったな!!根暗で!!
根暗やから日々を静かに過ごしたいねん
お前に振り回されるなんて真っ平ごめんや
コイツを好きになるなんて、地球がひっくり返ってもありえへん
―――はずやった…
「隆ちゃん、好っきやで…」
「な///」
不意に見せたこの表情
それは、今までに見た事もないくらい真剣で…大人っぽくて………
コイツ、こんなに女やったか…?
不覚にも一瞬
ほんまに一瞬やで?
胸が騒いでしもぉた――――――……
「どう?ドキッとした??私の関西弁、なかなかイケてるでしょ?」
「ア、アホ///そんな事あるわけないやろ!!それに、隆ちゃんは止めぇ!」
「えーっ!!いいじゃん♪何か可愛くて、私気に入っちゃった♪♪」
―――隆ちゃん―――
なんて呼ばれたせいやろか?
使い慣れてへん関西弁なんか聞いたからやろか?
こんなんで、地球がひっくり返ってしもぉたかもしれへんなんて…
慎の事、言えへんな……
―――ちぃとばかし動き出したかもしれへん、君への想い
これから大輪の花を咲かせるように、膨らんでくのやろか?
今のこの気持ち…知ったら、君はどないな顔するんかな――――――……
きっと…いつものアホな面見せるんやろな
けど…
何や悔しいから、今は黙っとこ――――――――――……
───今日から俺は君想う──
かもしれん……
もしかしたら、勘違いかもしらんしな(笑)
-fin-
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