君想ふ:一条(1/2P)
ポカポカ陽気の気持ちえぇ
日射しの柔らかな桜舞う季節
俺は一人の女の子と出会った――――――………
隣のクラスに来た東京からの転校生
――――そう…
桜のようにフワリと柔らかく微笑む彼女に
一瞬にして恋に落ちたんやった―――――……
クスクスクスッ…
「一条君って、本当に面白いね」
朝
休み時間
昼休み
放課後
足繁く君の元へ通う
君のその笑顔が見たいから
「なぁ、美羽ちゃん?……俺の事、名前で呼んでみてくれへん?」
せやけど
恋っちゅーもんは厄介なもんで
「えっ……でも…///」
彼女の笑顔を見てるだけで満足やったのに
「慎ちゃん―――って呼んで欲しいねん」
どんどん欲張りになってしまう
「……しっ……し…ん…ちゃん?///」
「……………………」
「慎……ちゃん?」
「ん…あぁ///……スマン……もっかいえぇ?」
「……し…慎ちゃん///」
あぁ…
君の唇が震えて俺を呼ぶ
たった、それだけの事やのに
こんなに心踊るなんて
こんなに胸の奥が熱くなるなんて
こんなに切なくなるなんて
こんなに――――…
こんなに君が溢れるなんて―――――――………
どないすんねん
今度は抱き締めとぉなるやんか…
そないな事ゆうたら、君はどないな顔するんかな――――――……
頬を真っ赤に染めて、困った顔するんやろか―――……
───今日も俺は君想う──
明日は、もっと好きになる
-fin-
top