あなたのペット
(1/1P)









「ほら、美羽に誕生日プレゼント」





「えぇっ!?ホントに?…嬉しい///」









「美羽に似合うと思って……この赤い首輪」







「く、首輪!?」







「だって、美羽は俺のペットだろ?」












―――――あ、そうか…





零は、私のご主人様だった…









「…何、他に欲しいモノでもあった?」












うん…あるよ……








「―――――ご主人様のパンツ…」











-------------
--------------
------------











「――――パ…ツ…欲し…ぃ…」





「…………っ?―――美羽?」




遠くから聞こえる微かな声に重い瞼を持ち上げると



そこには、心配そうに覗き込む零の顔があった






「ご主人様っ!!」





「は?…美羽、寝ぼけてる?さっきから“首輪”とか“パンツ”がどうの…とか言ってたけど」









………あれ?






あ、夜ご飯食べて、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃって…





布団には零が運んでくれたのかな…?






「ご、ごめんね、零///折角、2人で旅行なのに…」




「ふっ、構わない。出発するの早かったしな……それに、美羽の寝顔見てたから退屈しなかった」




「や、やだ、零ったら///そ、それにしても、よく梅さん許してくれたよね?」





気恥ずかしさを隠すように浴衣を整え、話題を変える




「俺は、アイツらと違って日頃の行いがいいから…」



「えー!?そうかな〜?」



「何で、そこで笑うんだ?」



「だって〜。あははは…」







――――零と2人っきりで温泉旅行って聞いてちょっと緊張してたけど、やっぱり来て良かったな…





温泉っていうのがまた、零らしい













「美羽、ここおいで?」




布団の上で胡座をかいた零がポンポンと膝を叩く





「う、うん///」



私は少し躊躇いながらもオズオズと近寄り、ちょこんと腰を下ろした










暗がりの中、竹と和紙でできたフロアスタンドだけが私たちをユラユラと照らし、目の前にある障子に大きく写し出される2人の影





その影がフワッと大きく動く






「……美羽、いい匂いする」



私を後ろから抱き締め、首筋に顔を埋めながら零が呟く






「せ、石鹸の匂いかな///」




「うん。いい匂い…ずっとこうしてたい……」





零の腕にキュッと力が篭る









「――――さっき、何の夢見てた?」




「えっ!?」




触れて欲しくなかった質問に思わず声が上擦った





「………………」




「言わないなら、こうする…」








────フゥーッ…









ゾワッと身体の奥から、耐え難い感覚が沸き上がる






「もー、零の意地悪!耳、苦手なの知ってるくせに///」




「苦手なんじゃなくて、感じるんだろ?――――ほら、教えてくれないの?」





「わ、分かった!教えるから、止めて!!」






再び息を吹き掛けられた所で、私はあっさり降参したのだった―――――……

























「―――っ、クックックックッ……」




「んもぉ、零ったら笑い過ぎ!!」




観念して、さっき見た夢を話すと、零の笑いは止まらなくなっていた





「フッ…ハハッ……本当に美羽は面白いな」




こんなに笑う零を見れるなんてめったにないから嬉しい気もするけど……





「そんなに、笑う事ないじゃない///」





ちょっと複雑








「…あぁ、悪い、悪い…―――でも…美羽は犬っぽいからピッタリかもな…」






「えぇっ?犬っぽい?私が??」



「あぁ…」




零の手が私の頭をワシャワシャと撫でる






「全力で尻尾振ってる、真っ白でほわほわした犬…」




「それって…褒めてる?褒められてる気がしないんだけど…」






「褒めてる………けど―――…」




「…けど?」




途切れてしまった零の言葉を聞きたくて振り返る











─────シャラッ…










すると突然、零の腕が私の視界を遮った







そして、胸元で輝き出す何か…








「ネックレス…?」




「誕生日プレゼント」





私の誕生石が嵌め込まれた、ハートモチーフのネックレス






「温泉旅行以外にも用意してくれたの?」





思わず顔が綻び、嬉しくて零とネックレスを交互に見つめた









「首輪の代わり…」





「えっ?」










「美羽は周りにいる奴ら皆に好かれちまう可愛い犬だから…―――俺から離れられないないように…」




「零…///」







そんな事言われたら、尻尾振ってずっと纏わりついちゃうよ?








「じゃぁ…零は、私のご主人様だね」






「ふっ…ご主人様か……―――じゃぁ、今日は可愛いペットの誕生日だから、たっぷりと可愛がってやらないと、な…?」






口の端を上げて零が薄く笑うと、スルッと浴衣の襟元から冷たい指先が滑り込む






膨らみに辿り着くと、包み込むようにして、ゆっくりとその手が動き始める







「ん…零っ///」





「…下着、着けてないんだ」





「……ぁ…ん、だっ…て…」






「これだから目が離せない。どこへも行かないように、誰がご主人様かしっかり覚えさせとかないとな…」






空いてる反対の手が浴衣の裾を捲り上げ、太股を掠めるように行ったり来たり…






「んっ…ぁ…」







「これから上手に鳴けたら、ご褒美あげる――――――何がいい…?」











―――――っ…そんなの///








「…俺のパンツ?」




「零っ!」








―――――でも…






実は、ちょっとだけ欲しいな〜なんて思っちゃったり…









したのは、ご主人様には内緒の話☆









この後


ご主人様にしっかり、たっぷり…愛情を注いでもらいましたとさ――――――…














-fin-


bkm
←|→




top

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -