愛のお値段(1/1P)
「…で、美羽は今年、何が欲しいわけ?」
「ん〜…何でもいいの?」
「買える範囲ならな」
「じゃぁね―――――…愛……」
◇
「…で、その愛がこれになったんだ?」
海司から誕生日プレゼントとして渡されたのは、オー○リーのお笑いDVD
ちなみに一昨年は、サマンサのリング
去年は、回らないお寿司屋さん
なんか年々安くなってない?
ま、付き合いが長くなれば、そんなもんか…
「お前、好きだろ?―――若林…だっけ?影、薄い方…」
「影薄いとか言わないでよ。若林君は、あの犬っぽい顔が堪らなく萌えるんだから!!」
「……よく、分かんねー。っか、お前、毎年“愛”とか言うの止めろよな。俺が、毎回どんだけ頭悩ますか…」
「だって、他に欲しい物ないし…」
「だからってなー…」
「ま、いいや。ありがとね、海司」
海司の小言も半分に、早速若林君を堪能しようとDVDのパッケージを開く
「…ったく、怒る気も失せるぜ」
その時
────ヒラッ─……
何かが落ちた
「あれ?海司、何か落ちたよ?」
「あぁっ?自分で拾え」
怒る気失せるとか言って機嫌悪いし…
怒ってんじゃん
ここは逆らわない方が得策だと、長年の付き合いから察知し素直に拾う
何だろ?
パッケージから落ちたし、宣伝広告か何かかな?
ん、でもただの紙っぽいな…
────ガサガサガサッ…
「か、海司!?これって、もしかして…」
「あぁ、もしかしなくてもそうだよ///」
それが嘘じゃないって、海司の真っ赤な顔が物語ってる
「誕生日プレゼントのメインは、そっちだ…」
「うぅ〜海司ぃ〜」
「うわっ!バカ!!人の服で鼻水拭くなっつーの!!」
海司がくれた誕生日プレゼント
それは
海司のサインがされた婚姻届
「こんな紙切れ一枚になっちまうと何だかムカつくけど、俺からの最大級の愛だ。欲しいったんだから責任持って受け取れよ…」
海司がくれた“今年の愛(プレゼント)”は
これまでのどれよりも、大きな大きな愛だった―――――――……
-fin-
【おまけ】
「だぁ!お前、何やってんだよ!!」
「ん?何が?」
「お前、バカか!?そこ保証人の欄だろ!」
「あ、ホントだ(笑)」
「―――ったく、どーしてお前は、そうアホなんだ…」
「もー、アホとかバカとかばっかり言わないでよ!」
「本当の事を言っただけだろ!?」
「海司の意地悪!!海司となんか結婚してあげないんだから!!!」
「なっ…だ、だいたい俺が貰ってやんなきゃ、お前なんか一生独身だろうが!」
「そんな事ないもん。私、結構モテるんだから。この間だって街でナンパされて…」
「ちょ、聞いてねぇぞ、それ…」
「へーんだ!教えないよーだ!!」
「チッ、美羽、いい根性してんじゃねーか、コラ!」
─────ギャァギャァ!!
ヽ(*`Д´)ノ
ワーワー!!───────
ヽ(*`Д´)ノ
この後、無事、入籍出来たのかどうか…
2人のみぞ知る………
-HAPPY END?-
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