愛のお値段
(1/1P)







「…で、美羽は今年、何が欲しいわけ?」




「ん〜…何でもいいの?」




「買える範囲ならな」









「じゃぁね―――――…愛……」



















「…で、その愛がこれになったんだ?」





海司から誕生日プレゼントとして渡されたのは、オー○リーのお笑いDVD





ちなみに一昨年は、サマンサのリング



去年は、回らないお寿司屋さん







なんか年々安くなってない?





ま、付き合いが長くなれば、そんなもんか…










「お前、好きだろ?―――若林…だっけ?影、薄い方…」




「影薄いとか言わないでよ。若林君は、あの犬っぽい顔が堪らなく萌えるんだから!!」






「……よく、分かんねー。っか、お前、毎年“愛”とか言うの止めろよな。俺が、毎回どんだけ頭悩ますか…」




「だって、他に欲しい物ないし…」





「だからってなー…」





「ま、いいや。ありがとね、海司」






海司の小言も半分に、早速若林君を堪能しようとDVDのパッケージを開く




「…ったく、怒る気も失せるぜ」









その時





────ヒラッ─……







何かが落ちた









「あれ?海司、何か落ちたよ?」



「あぁっ?自分で拾え」






怒る気失せるとか言って機嫌悪いし…



怒ってんじゃん






ここは逆らわない方が得策だと、長年の付き合いから察知し素直に拾う








何だろ?

パッケージから落ちたし、宣伝広告か何かかな?





ん、でもただの紙っぽいな…










────ガサガサガサッ…



















「か、海司!?これって、もしかして…」








「あぁ、もしかしなくてもそうだよ///」





それが嘘じゃないって、海司の真っ赤な顔が物語ってる







「誕生日プレゼントのメインは、そっちだ…」







「うぅ〜海司ぃ〜」





「うわっ!バカ!!人の服で鼻水拭くなっつーの!!」










海司がくれた誕生日プレゼント







それは







海司のサインがされた婚姻届











「こんな紙切れ一枚になっちまうと何だかムカつくけど、俺からの最大級の愛だ。欲しいったんだから責任持って受け取れよ…」









海司がくれた“今年の愛(プレゼント)”は






これまでのどれよりも、大きな大きな愛だった―――――――……















-fin-







【おまけ】









「だぁ!お前、何やってんだよ!!」




「ん?何が?」




「お前、バカか!?そこ保証人の欄だろ!」




「あ、ホントだ(笑)」




「―――ったく、どーしてお前は、そうアホなんだ…」




「もー、アホとかバカとかばっかり言わないでよ!」




「本当の事を言っただけだろ!?」




「海司の意地悪!!海司となんか結婚してあげないんだから!!!」




「なっ…だ、だいたい俺が貰ってやんなきゃ、お前なんか一生独身だろうが!」



「そんな事ないもん。私、結構モテるんだから。この間だって街でナンパされて…」





「ちょ、聞いてねぇぞ、それ…」




「へーんだ!教えないよーだ!!」





「チッ、美羽、いい根性してんじゃねーか、コラ!」










─────ギャァギャァ!!





ヽ(*`Д´)ノ







ワーワー!!───────






ヽ(*`Д´)ノ








この後、無事、入籍出来たのかどうか…






2人のみぞ知る………









-HAPPY END?-


bkm
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