結局話し合いの結果、私は千秋ちゃんと同じコテージに寝泊まりすることになった。
「多分、ウサミちゃんがなんとかしてくれると思う…から、それまで一緒のコテージにいようね」
外もとっぷりと暗くなり、適当な時間に解散した後、私は千秋ちゃんのコテージに通された。
「おじゃましまーす…って、すごっ」
コテージは一人部屋としては快適すぎるくらいの広さがあり、シャワールームやランドリーも完備されていた。
その部屋の床には、ゲーム機が所狭しと並べて…いや、これは散乱していると言った方が正しいか。
そういえば彼女は、『超高校級のゲーマー』なんだったっけか。だったらこれくらいの量のゲーム機が散乱しててもおかしくない。据え置き機から携帯機まで、中にはもう生産が終了されているハードまであった。
「あ、私はゲームするから、神楽さんは眠かったらそこのベッド使っていいよ」
彼女は部屋に入るなり、携帯機の電源を入れる。
「え、あの……千秋ちゃん?」
「…あ、ごめん。シャワールームも勝手に使っていいからさ」
そういうことじゃなくて……
「いや、ベッド…いいの?」
さすがに居候のような身で部屋主のベッドを使わせていただくのは申し訳ないと言いますか。
「ん?んー…大丈夫だよ。私、ゲームしてるし…ゲームしてる間に床で寝ちゃうこともあるから。だから、使っても大丈夫だよ」
カチャカチャとゲーム機のボタンを操作しながら、視線をゲーム機の画面に向けたまま彼女は喋る。
「それに、今日は色々あって疲れてるでしょ?床に敷いた布団よりも、ベッドで寝た方がリラックスして眠れると思うんだよね」
…そっか。千秋ちゃんなりに、気を使ってくれているのか……
その好意を無駄にするわけにもいかない、かもしれない。
「えっと…じゃあ、お言葉に甘えて…シャワー、借りますね」
私がそそくさとシャワールームに移動しようとすると、くいっと制服の裾を掴まれる。
「…敬語、禁止ね」
「え?」
「仲間なんだし、神楽さんには敬語を使ってほしくないというか…うーん、上手く、言葉に出来ないけど…堅っ苦しいのは抜きにしようよ」
ね?とまた微笑まれる。彼女には何故だか、相手にそうさせてしまうような魅力みたいなのがあった。
「…わかった。改めてよろしくね、千秋ちゃん」
「うん。こちらこそよろしくね、神楽さん」
こうして、慌ただしい一日は幕を閉じたのだった。

☆相部屋合戦!【END】

戻る