よろしくおねがいします!
きもちのいい青空に、ホイッスルと声が響く。
今日は球技大会、みごとなまでの晴天だ。

太陽がさんさんと照りつけ、スポーツをすれば汗ばむ暑さだ。
たまに吹く風がここちいい。


「レッド、おつかれ!次の試合も期待してるよ!」


クラスメイトがそう言って、僕にサイコソーダを投げた。
僕はありがと、と笑って受け取る。
詮を開ければ、ぷしっと音を立ててソーダのかおりが鼻をかすめた。


「レッドは勉強はだめだけど、スポーツは万能だもんな!」

「はは、スポーツはってなんだよ」


となりに腰をおろした友だちと談笑。
勉強ができないというよりは、まったくやる気がでないだけ。
…言い訳みたいに聞こえるけど。
スポーツは、この負けず嫌いの性格からか、常にいちばんを狙ってしまう。
今日の球技大会だってそうだ。
どうせやるなら勝つ。
実際、誇張でもなんでもなく、今日の試合は僕が勝利に貢献しまくってるとおもう。
今のところ、3戦3勝だ。
ちなみに次の試合は準々決勝。
つまり、あと2勝すれば僕らのチームが優勝する。


「よっ!おつかれ!」

「あ、先生」


声のしたほうを見れば、グリーン先生がいた。
黒いポロシャツにジャージをはいている。
スーツじゃないときの先生は、あんまり他の生徒とかわらない見た目だ。

先生は屈んで、座ってる僕らと視線をあわせた。
それで、調子いいじゃん、と言って笑う。
友だちが、ごほうびたのしみにしてますよ、と言えば、優勝してから言えと小突いて笑う。

僕はまだ、先生とうまく話せなかった。
ただ友だちと話す先生の横顔を見ていた。
サイコソーダにくちをつける。


「レッド」


気づけば先生がこっちを見ていた。
反射で、はい、と返事をすれば、先生が僕の頭をわしわしと撫でて、


「おまえ、すげーな!次の試合もがんばれよ!」


と言って、また笑った。
思わず僕は目を細めて、がんばります、と言う。

先生は、じゃあまたな、と本部のほうへ向かって行った。
うしろ姿を見ながら思う。

あのひとは、まぶしい。

僕は髪の毛をさらりと払った。
先生に撫でられたところが、なんだかあつい。











太陽のせいにして