今日も一日つかれた。 超おつかれ俺。 ジムの業務にポケモンのトレーニング、トレーナーの指導と挑戦者の相手。 特に今日は挑戦者が多かった。 ま、俺さまを相手にするのはまだ早かったな。 でもどいつもいいトレーナーとしての素質を持ってる。 力のある挑戦者と出会えることは、ジムリーダーのたのしみのひとつだ。 そう思いながら、俺はマサラの家に着く。 今日はねえちゃんもじいさんもいない。 だから、 「ただいま、レッド」 「おかえりグリーン」 とてつもなくわかりにくいが、ふんわりと笑ったレッドが玄関で出迎えてくれた。 今日はレッドと俺のふたりだけ。 レッドはねえちゃんのピンクのエプロンをしている。 ねえちゃんがしてても何とも思わないのに、レッドがするともう異常なかわいさ! あー今すぐ抱きしめたい。 そんな思考にふける俺の服を、レッドが引っぱる。 俺はどうした?と言ってレッドの方を見た。 「…グリーン…ただいまのキスは…?」 「!!!」 こいつは俺よりが低いから、絶妙な上目遣いでキスをねだるような顔を向けている。 水分を含んだ眼球がゆらゆらと揺れる。 とてつもなく、かわいい。 もちろん断るわけが、ない。 俺はそっとレッドの手を握り、肩を引き寄せ軽くキスをした。 くちびるをついばむように何度も何度も繰り返し、そしてだんだんと長く深いキスを。 「…んっ…ふぁ…っ」 舌を絡ませ、咥内を犯す。 苦しいのか、レッドは少しでも酸素を取り入れようと息を漏らす。 そんなにかわいい声を出すなよ、止まらなくなるだろ? しばらくレッドの咥内を貪り、くちびるを離した。 頬が紅潮して瞳が潤み、息を乱すレッドの口のまわりはぐちゃぐちゃだ。 もちろん俺もだけど。 ていうかレッド、 (えろすぎるだろ…) 思わず見惚れてしまうほどの色気。 はあ、と小さく熱いため息を漏らしてレッドが口を開いた。 「ご飯できてるけど…どうする?お風呂にする?……それとも」 もじもじとしだすレッド。 その言葉の続きはもしかして。 「それとも…俺にする…?」 「おまえに決まってんだろ!!!」 据え膳食わぬは男の恥! こんなにかわいい恋人の誘いが断れるわけがない。 ベッドに移動するのももどかしく、玄関でレッドを組み敷いた。 そして再びくちびるを重ねる。 お互いの頭を抱え込んで、さっきよりも深く激しく。 「…ふっ、……はあっ」 重なって溶けるように。 ながく長く永く。 酸素が足りなくなって、頭がぼーっとする。 それでもくちびるは離れない。 レッドが俺の頭を抱え込んで離さない。 ……ちょっと長すぎないか。 酸素がまったく入ってこないレベルになってきた。 待てレッドいくら俺がすきだからってそんなに鼻も口も塞いだら息ができねえっつーかやばいまじで苦しいこのままだと俺が 「…っ…じぬ……っ」 息苦しさで目が覚めた視界には、 「おはようグリーン。たのしそうな夢見てたみたいだね?」 微笑むレッドと、その背後に般若のようなどす黒いオーラ。 これが最強の風格……じゃなくて。 「……え、…ゆめ……?」 そこはレッドの部屋のベッドだった。 俺はここで毛布にくるまり寝ていたようだ。 寝起きの頭でここに至る経緯を思い出そうとする。 …そうだ、俺は今朝レッドを起こしにきたんだ。 だけどこいつがあまりに気持ちよさそうに寝てたもんだから、寝顔を眺めようと思って、ねむくなって、ベッドに入り込んでそのまま… …思い出した。 外を見ればすっかり日は高い。 とりあえず、 「おはようレッドくん」 あいさつ。 レッドからは冷ややかな視線。 ははは、目が覚めるぜ。 「…なにしにきたの」 「いや、起こしにきたんだけどな」 「なんで僕のベッドのなかにいるの」 「つい」 「…ていうか、ほんとに今寝てたの」 「え?」 どういう意味だ? そう思ってレッドを見る。 よく見ると、乱れたレッドの寝巻き。 首元には赤い跡。 ……キスマーク……? 俺はがしっとレッドの細い肩をつかみ叫んだ。 「レッド…!おまえそれ誰につけられたんだ!?俺のレッドに何てことを許せね」 「おまえだバカ!!!」 レッドのすばやく、かつ力強い一撃で俺はまたベッドに沈んだ。 ゆめおち 寝ながらもレッドを愛してしまう、まさに俺の本能 |