「漫ろでもだ」
2015/02/04 13:41
「漫画家」。
親族からは体裁が悪いから辞めろと言われ、学校の先生からは夢をみるなと言われました。
良い成績をとったり、正社員で就職したり。
形だけ優秀ぶれば、安心して喜ぶ周囲の大人達。
私はそんな人間の為に私の人生を生きているのだろうか。
二十歳過ぎてからようやくその事に気付き、そこから初めて漫画家を目指しました。
今、とても幸せです。
自分で考え選んだ人生を生きているからです。
人は皆、世間体を気にします。
それは生きていく上で大事な事です。
でも気付きました。
世間体を気にする理由の大半は自分が傷付きたくないからだと。
本当に本人の為を思って言っていない世間体ならば、全く気にする必要はないのだと。
ふと漫画の「漫」とはどういう意味なのだろう?と前に調べた事がありました。
そこで「漫ろ」という言葉を見つけました。
・これといった理由もなくある感情がわき起こるさま。なんとなく
・心が落ち着かないさま
・不本意なさま
・むやみなさま。やたら
成る程、漫画とは何の意味もない画なのか。
なんて素晴らしいんだろう!!
本心はどうあろうと見た目や形、体裁を良くする事に生きる意義があるという価値観に囚われてきた私にはとても衝撃的でした。
「漫画は低俗」という風潮に『いいや、漫画は素晴らしいんだ!』というより、本当は『そんな漫画家を目指す自分も低俗だと思われたくない』という気持ちがどこかでありました。
低俗?だからどうした。
むしろそんな低俗に人生を捧げる生き方なんてそうそう出来るもんじゃないし、そんな人は尊いと思う。
かつてのあの大人達から見て今の私はたとえ酷くちんけで
漫ろだとしてもだ、
今の人生は自信を持って最高と言える。
当時このサイト名はそんな意味を込めてつけました。
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