世界観篇(その2)



○庭のつくり(にわのつくり)
庭は、庭師の居るところ、花精たちが詰めているところ、人間や活動中の花精、蟲、その他の生き物が存在しているところに別れる。

・内宮(ないぐう)/至聖所(しせいじょ)
…庭師の住居。ここには、庭師の他に脇侍、宮宰(きゅうさい)と呼ばれる世話役の花精、その下で働く花精たちが住んでいる。人が訪れることは出来ず、執政といえども宮宰の赦しがなければ立ち入ることは出来ない。


・胎宮(はらみや)
…番のいない花精が詰めている場所。内宮と外宮の間にある。
(→花精篇その2)


・外宮(げくう)/庭宮(にわのみや)
…執政、百花王、官吏たちが詰めている宮殿。「外宮」という言い方は庭師、執政たちがする。(「内宮」に対する「外宮」の認識は彼らくらいしかないため)
通常は各庭宮に付けられた呼称が使用される。
春は青春宮(せいしゅんきゅう)、夏は朱夏宮(しゅかきゅう)、秋は白秋宮(はくしゅうきゅう)、冬は玄冬宮(げんとうきゅう)。



○暗宮(あんぐう)
庭師(=神)に対する生贄をおく神殿。
神殿とは名ばかりで、土地によっては古い小屋だったり、洞を代用したりもする。
生贄のことを隠語で禍日(「まがつひ」)と言い、一ヶ月分の食料・水と一緒に閉じ込められ、一月後、生存していた場合は解放される。死亡していた場合は丁重に弔われる。

春苑では何十年に1回の頻度で贄を選び、暗宮に送る儀式が行われてい、贄に選ばれた者の家族は、金銭を与えられるが、集落から追い出されてしまう。
古くは他の庭でも行われていたものの、現在では春苑のみに残る慣習。

実際は、春の庭師の脇侍を選ぶための儀式。春苑の庭師はあまりに力が強すぎるため、力の発散の相手をするための脇侍が必要である。
春苑の防人(へいたい)であった、連暁(れんぎょう)は、この儀式によって連れてこられた人間(→「空ろの城」)。

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