この作品には性的描写が含まれています。
18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。
NC-17 for explicit SM sex and spanking.





「あ……!?」
 尻餅をついてしまい、なまえは痛みに顔を歪める。わけがわからないと眉を曇らせながら、ソファーに座ったままの男を見上げると、
「あーあ。見てよ、これ」
 白蘭は自身の足を指差していた。服の一部が粘着質な液体で濡れて、変色している。
「僕も、ソファーも、なまえチャンのでベトベトだよ」
 先程までなまえの腰が当たっていた部分を見下ろしたあと、床に座り込んだままのなまえを白蘭は冷ややかに見やった。叩かれ赤くなった臀部と同じくらい頬を朱に染めてなまえは俯いた。もじもじと恥ずかしそうに内股を擦り合わせているが、体の中心ですっかり勃ちあがっているモノを隠せるはずもない。
「叩かれて感じたんだ?」
 なまえは何も言わなかった。ソファーや白蘭の服を汚した先走り液は未だとろとろと先端から溢れ出しているのだ。言い逃れなど出来ないし、する気もなかった。
「これじゃ全然お仕置きにならないな」
 床に脱ぎ捨てられていたなまえのジーンズを拾い上げ、白蘭が言った。なまえが己を目で追っていることを解っているのだろう、見せつけるようにして白く長い指がジーンズのポケットを探る。
「――やっぱりあった」
 取り出されたのは、潤滑ジェルの入った小さなボトルだった。


 床に四つん這いになるように言われ、その通りにしたなまえの肛内を指が犯す。中を解す目的しかないのだろう、無遠慮な行為は、たっぷりと使われたジェルのせいか痛くはなかったが、快楽も感じなかった。体内を犯される苦しさになまえは眉を顰めながら低く喘ぐ。
「ジェル、いつも持ってるよね」
 ぐちゅり……。眉間に一層皺が寄ったのは、わざと大きな音を立てているのではと思うほどいやらしい音がしたからでも、中で指を折り曲げられた所為でもなく。
「いつまでも“昔の癖”が抜けないのか――……いや、淫乱ななまえチャンのことだからいつでも誰とでもヤれるように持ってるんだろうね」
「ちが、アアッ!」
 再びスパンキングされて悲鳴を上げるが、黙って、と冷たく平坦な声に言われ、唇を結ぶ。
 その間にも指が引き抜かれ、代わりに指とは比べ物にならない質量のものがあてがわれた。ひゅ、となまえの喉が鳴る。申し訳程度に解されたそこは当たり前だが男の性器を受け入れるにはまだ準備が足りていない。
「白蘭……!」
 名前を呼ばれた瞬間、白蘭は一気に腰を進めた。いきなり最奥まで突かれなまえは大きく目を見開いた。反り返った喉が、悲鳴に近い喘ぎを漏らす。
「ひ、あぁ、ああっ……!」
 容赦のない激しい動き、それも敏感な部分を的確に擦り上げてくる腰の動きに、感じていた痛みはすぐ快感に押し流されていく。両足が痙攣するように震え、体が支えられない。崩れ落ちかけた腰はすぐに掴まれ、少しの休みも与えられず激しく突かれ続けた。
「あ! ああ!」
 皮膚と皮膚とがぶつかり合う音に合わせてなまえの口からあられもない嬌声が上がった。
「本当、いやらしいんだから」
 ぐに、と散々叩いてやった尻肉を掴めばただでさえキツい中が収縮する。受け入れている側だけでなく挿入している方も辛いだろうに、白蘭は構わず手に力を込めた。
「ンぁっ……あひ、っあ、ア……痛い……!」
「痛いのがイイくせに」
「あ、んん……そ、だよ……っいたいの、きもちい、の…!」
 擦り付けるように腰を振る淫らな動きに応えながら、白蘭は、目の前で揺れる小さく形の良い耳に唇を寄せた。
「――こんなにいやらしいなまえチャンを満足させてあげられるのは、僕ぐらいだよ」
 不意に、耳元で囁かれた小さな言葉。聞き逃してもおかしくない細やかな響きを、なまえはしっかりと受け止めていた。
 喘ぎ声を漏らすばかりだった唇を笑みの形に引き上げて、体を捩って後ろを振り返る。ピタリ、あれだけ激しかった動きが止まる。
 ここまではっきりとした驚きの表情を浮かべる白蘭を見るのは初めてではないだろうか。そう思うほど、唖然とした愛しい人の顔に、なまえは更に笑みを深めながら顔を寄せた。難なく唇を奪うとそのまま出来るだけ深く貪る。
「……参ったな」
 唇が離れると同時に白蘭が呟いた。
「なまえチャンってば、何しても喜んじゃうんだもん」
 ハァーという深い溜め息がなまえの首元をくすぐった。目尻を下げながら、溜め息なんか吐いちゃだめだとなまえは言う。
「幸せが逃げるよ」
「逃がさない」
 腰を掴んでいただけの手が腹部に回され、ギュッと抱き寄せられる。そしてこれ以上ないほど体を密着させる白蘭に、なまえはいよいよ声を上げて笑い出した。
「ねえ、オレは白蘭がくれるものならなんだって嬉しいんだよ」
 そう言って微笑むなまえの頬に、白蘭は、己の負けを認めるキスを落とした。



“PeachyBathingTime続編。嫉妬にかられる白蘭様とそれが嬉しい夢主くんのSMチックなエロ”
リクエストありがとうございました:)


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -