「何だこれは」
「“こたつ”だよ!父さんに頼んで日本から輸入してもらったんだ」
「……どうして俺の部屋にある」
「だから父さんに頼ん、っ、痛い痛い! ほっぺたつねらないで!」
「今すぐ片付けろ」
「え〜あったかいのに〜」
「聞こえなかったか。今すぐ、片付けろ」
「……それに、こたつには恐ろしい魔力が込められているし」
「?」
「入ったらもう二度と出られない……って気分にさせられる魔力が、っ、痛い痛い! つねる通り越して捻りあげるのやめて!」
「片付けろ」
「一度入ってみれば解るのになあ」
〜数日後〜
「おい、みかんが無えぞ」
「ザンザスが食いすぎるからでしょ。向こうに残りの箱があるから持ってきなよ」
「ふざけんな。テメーが持ってこい」
「無理。出られない」
「俺だって無理だ」
「…………じゃ、次にトイレ行く奴がついでに取ってくるってことで」
「おう」