積み上げたがらくたに喝采を
上手にできたと涙目で
降り経つ先で飛沫を上げよう
久方の音にも祝福され
口の端を、意地でつり上げ寝転んだ
きっと夢を見ていて
顔を上げないでいて
明日なんて来ないと嘆いていて
忘れてしまったふりをしていて
その一歩を踏み出さないでいて
君の悲鳴が続く限り
この箱庭は壊れないから
転げ落ちた先の銃口に
取り繕う暇もなく口付けをして
引き金に手を添えてみたけれど
添えた手を引っ掻くように振り払われる
そうではない
そうではなくて
引っ掻くのであれば喉元を
撃ち放つのなら脳天を
君なら上手に出来るのだから
さあ、ほら
君の拒絶を聞かせて
花咲く紫陽花の葉に、蝸牛は隠れていない
飛んでいる蜻蛉の色は空に似合わない
それなのに、
人々の喧騒も、
蝉の鳴く声も、
線香の匂いすらない
今っていつの季節だっけ?
喰らって、眩んで、瞬いて見た目前に、
望んだ結末なんてあり得ない。
それでも いつまでも繰り返す。
歪んだからだで、ひねくれた心で、
綺麗なものに触れるなんて、
無理だと分かっているのにね。
ズレるくらいなら矯正して
同じように動きたい
白けた目で見られるくらいなら
恥を抱えて生きるくらいなら
断つ方がマシなんだ
何がとは言い切れない
それはたくさんあるからね
拗れた
捻れた
ひねくれた
ギリギリギリギリ音をたてて
目には見えない
糸のようなものが
ほどく事もままならず
切れるその瞬間まで
音はずっと鳴り止まないのだろう
画面酔いにはご注意を。
吐き気をもよおし、顔をしかめて。
さて一休みとゲーム画面もそのままに、
もしも目を閉じてしまったなら。
夢のような現実に、意図せず繋がってしまうかも。
もちろん現実というからには、
きっとチャンスは一度きり。
それでは、この画面を見ている貴方に
幸多からんことを。
『鈍くさいな』と言いながらも、
君は手を差し伸べる。
目線は明後日の方向だけど、
体の正面はこちらの方に向いている。
少し長めの前髪を振り乱して走り、
その末に見つけて
安堵の溜め息と笑顔を向けてくれる。
そんな君を、愛しているよ。
表情が固まってしまった理由は分からないけど。
一戦交えたその後で
行方眩ます英雄に
すがり付くのは荒霊
救いなど無いと言うのに
散り行くことは赦されず
ぼたり、ぼたりと首落ちた
華の嘆きに音はなく
愛でられものから晒しものへ
そこで初めて恥を知る
望みはいつでも叶わない
叶ったとしても
それは望んだ形と一致しない
小さなずれが、
小さな歪みが、
そこには生じてしまうから
求めてしまうのは学んだから
だから一人でいられない
『一人には慣れている』?
『慣れていた』の間違いだ
その明るさを覚えてしまったら
その温かさを感じてしまったら
明るい場所から暗いところへ
移ったときの目のように
慣れるなんてことはない
虚しさを感じずにはいられない
だからこそずっと
手を伸ばすことをやめられない
戻ることはない光の方へ
ふしばったその指に目が奪われた。
その酷く綺麗な手を私に伸ばして、
何かを言っていた。
あんなに綺麗なものがこの世にあったのだと、
もう少し早く知っていたなら。
こんな痛みを知ることも
なかったのかもしれないね。