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雨時々曇後晴れ所により愛(エール)


※パロ



朝、夏だというのにじめじめとした空気が肌に張り付く。
今日はエースと一緒にプールに行く約束をしていたので早く目が覚めたのになんだかちょっぴり残念な気分になっていた。



「どうした、ルフィ?浮かない顔だな」



ベランダから飛び出て空を見上げていた自分に、ちょうど起きてきたエースが声をかける。



「エース、今日プール行けねえや」

「……は?」

「雨降るから、やめよう」

「雨?や、全然晴れてるけどなぁ」



そういってベランダに同じように出たエースは、青空を見上げそう呟いた。
確かに目で見る限りでは少しだけ雲が漂う綺麗な青空だ。
しかしこの感じ、直ぐに雨雲が現れるだろう。



「雨の匂いがする。1時間もしないうちに土砂降りだ」

「マジか!?……んーじゃ今日は出掛けるのやめるか」



というわけで、今日はエースとプールに行く予定が潰れてしまったわけだ。
とりあえず朝食準備に取り掛かったエースに対し、することがなくなった自分はソファーベッドに腰を落ち着けた。
適当に付けたテレビでは朝のお天気お姉さんが今日の予報をしているが、雨については全く触れずお布団を干すには今日がチャンスですなどといっている。



「……今から土砂降りですよー」



なんて頬杖を付きながらテレビを見ると、案の定雲行きが怪しくなった空にため息を吐いた。



「そんな顔するな。ほら、飯出来たぞ」



くしゃりと頭を撫でられたのでそれにつられ見上げると、前に一緒に買い物に行った時お揃いで買ったオレンジのエプロンを付けた兄がいた。
ちなみに自分は赤いエプロンだが冷蔵庫の横に掛かっているだけで一度も使った事はない。



「なんでエースはそんな嬉しそうな顔してんだよー」

「なんだ、ルフィは楽しくないのか?」

「だって雨だぞ?外で遊べないんだぞ?楽しくないーっ!」

「んじゃ、家の中での楽しい遊び、教えてやるよ」
















朝、夏だというのにじめじめとした空気が肌に張り付く。
今日はエースと一緒にプールに行く約束をしていたので早く目が覚めたのになんだかちょっぴり残念な気分になっていた。
でも、それはそれでいいかなぁなんて思うようになった。
ゆっくり倒されていく体はソファーによって優しく包まれる。
右をちらりと見るとゆらゆらとテーブルから湯気が立っているのが見えた。
また、左を見ると突然の雲行きに慌てているお姉さんがテレビに写っている。



「よそ見すんなよ」



上から降る声に目を向けると、そこにはギラギラ太陽みたいな眼差しの兄がいて。
あー、家はところにより晴れです。
なんて思ったりした。















雨時々曇後晴れ所により愛

(お天気お姉さん、ではさようなら。)












END



夏休みを満喫する兄弟みたいな。
あと野性の感で天気わかるルフィとか。



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