人工の太陽の下(ワニル)
見上げた空は眩しくて、うっかり直視したら失明でもするんじゃないかと思うほど強烈な光り。
下はさらさらした砂が広がりで水分なんて一滴もない、あぁ乾く渇く。
周りには何にも無くて……あぁ、人であったものなら転がっているか。
とにかくここから脱出したくてはってはってはって残りの体力すら惜しまず出口を探して転がるものを乗り越えて手を伸ばしたら。
そこは何故か行き止まりでずっと先は見えるのに行き止まりで。
何度も叩いてみるけど一向に進め無くて。
悔しくてあるはずもない液体が眼球から溢れ出して声をあげて吠えた。
そこに落ちた突然の影、独特の臭い。
体が勝手に震えてどうしようもない。
『 』
何か言っている。
でも聞こえないわからないわかりたくない。
誰か助けてゾロナミサンジウソップチョッパーロビンフランキーブルック。
『 』
こわいこわいこわい目の前にバラバラと落とされるこれは見覚えあるものばかりなんでお前がそれを持ってるのなんでなんでなんで!
『 』
蹴飛ばされて仰向けになって視界に入ったのは黒と金と大きな傷。
あぁ貴方を知っている、自分は貴方を知っている。
『 ルフィ 』
名前、それは俺の名前。
何故呼ぶ、俺を何故呼ぶ。
…思い出したお前は俺から全て奪った相手ついには最後に俺の命も奪うのか。
助けて助けてエース助けて。
エース……?
いないいないエースはいない俺のせいでいなくなった。
俺のせいで全部全部……
あぁそうか。
お前が奪ったんじゃなかった。
俺が皆を無くしたんだ。
両手いっぱい足りないくらいだったアイツらを、俺が無くした。
『 あぁ……その顔が見たかった 』
そうかそれは良かった。
じゃあそんな嬉しそうな顔をしているお前に叶えて欲しいことがあるんだ。
『 』
あぁごめんまた聞こえないや。
なぁ頼む頼むよ。
お前のその鉤爪で、その大きな傷と同じように俺を掻き切ってくれ!
『 お願いだよ……クロコダイル 』
最後に一人残されるだなんて……嫌だから。
人工の太陽の下
(それは貴方しかいない世界)
例えば俺がいなければ、皆幸せだったのかな。
END
ネガティブホローーウ☆←
鰐ルの予定だったのにただ暗いだけのルフィが出来上がりました……残念(T-T)