人生のナビゲーションさせてください(ゾロル)
※パロ
ハンドルを握って運転するなんて自分には一生ないと思っていた。
方向音痴も極端過ぎてお前は無理だと周りから言われてきた。
しかしどうだろう、今自分はハンドルを手に車を運転しているではないか!
「じゃあ次は3番を右な」
「おぅ」
といってもまだ教習所内であるわけだが、それでもこれはすごいことであるのだ。
正直入学式のときに行った適性検査の結果が恐ろしいわけだが、まぁ今は気にしない事とする。
取り合えず今まさに教官に指導されながら運転しているわけだが。
「ああ待ってゾロ、右に曲がるときはハンドルはこっち…」
そう言って助手席から身を乗り出しハンドルを取って方向を変えられた。
片手が教官と触れ合ってドキドキするなんて言わないが伝わるんじゃないかと思うくらい心臓が煩い。
「大丈夫か?仮免まであと3回しか乗れねえけど、たまに左右まちがえるのが心配だぞ」
「大丈夫だ。本番には強い」
正直試験監督が彼でなければ自分は意外にもまともな判断と運転が出来る気がしていた。
あぁ早くこの時間が過ぎればいい。
でももっと彼の近くにいたい。
「っと!」
突然かかったブレーキに目を見開く。
どうやらカーブに気付かずにいたらしい、教官が助手席のブレーキを踏んでいなければ危ないところだもう少しで乗り上げるところだった。
「ゾロ、今日は疲れてるみたいだな」
「すんません」
「体調悪いときは仕方ないさ。でもホントに試験は心配。最後まで俺がナビしてやれればいいんだけど」
「………」
困ったように語る彼のハニカミと優しい言葉に今にも心臓さ爆発しそうだった。
今まさにサイドブレーキに置かれた手を、何度握ろうと思ったことか。
「教官」
「なんだー?」
「……いえ、また今度でいいです」
人生のナビゲーションさせてください
(取り合えず、年内に卒業できるかが問題だな)
END
まさに今の管理人←ぇ
や、仮免前ってとこが同じなだけでけして方向音痴ではないとです。