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V





与えられた玩具は、ただ形を成しているだけなのはわかっていた。
それでも求めて止まないのは、貴方という固体が欲しかっただけだからだろうか。



「なぁ寒くねぇか?」



ベッドの上で二人シーツに包まってみるも、何も身につけていないこの状況ではまだまだ温もりが足りなかった。
寄り添って生まれるのは温もり、そして虚しさだった。



「ルフィ」



私が貴方の名前を呼ぶ。
貴方も私の名前を呼んでくれる。
でもそれだけ。
貴方はそれ以外の言葉を紡がない。
いや、それ以外の言葉を知らないのかもしれない。



「ルフィ、ルフィ」



そういって優しく抱きしめてくれる貴方を見ていられなくて、目をつむり記憶を駆け巡る。
ここに貴方はいない、貴方はいない。
そう、ココにいる。
少しだけ瞼の裏に光が射した。
また彼が様子でも見に来たらしい。
定期的に彼はこの部屋を訪れ、
別に特に何かするわけでもなくこうしてしばらく見つめているのだ。
その視線は少し心地好い。



「なぁ、寒いな」



どちらにともなく呟く。
どちらにしろ一方は名を呼び、一方は見つめ続けるだけ。
何も変化などない。
それに思わず苦笑が漏れる。
擦り寄せた頬はまだ熱を欲していた。










Der Verstand von mir, den wer schlob, den es zur Stelle gebracht wird, wo Licht nicht reicht.














心も体も凍えてしまって動かない。
誰か温めて。
寒くて痛くて苦しいのです。
泣き出したいくらい、辛いのです。
全て自分が求めた筈なのに。









くるしいつらいかなしい。
ルフィに沢山の感情を教えてくれるのは、彼だけ。

あと二話で終わります。
山場なんてないダラダラ話ですが(笑)


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