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再び現れたローに手渡されたそれは、何度見直してもそれに違いなかった。
暗くて良く見えなかったが、触れた感触に違いない。
そっと触れた頬はあの頃と違い熱は感じられなかったけれど、筋肉が動き微笑んでくれているのがわかった。



「ホントに……?」



逞しい腕に包み込まれて、冷たい体は熱を取り戻した。
震えてなかなか動かなかった腕をなんとか奮い立たせ、ゆっくりとその背に回す。
触れた指先が敏感に感じとったのは、彼が誇りだといって背負った証。



「本当に、   ?」



噛み締めるように名前を呼んだ。
それに答えるように回される腕に力が入る。
はらりと、涙が零れた。



「ルフィ」



名前を呼ぶ声は懐かしさを含む声色だった。
あの頃のように熱を含んだ甘い声ではなかったけれど、また、もう一度名前を呼んでくれただけで幸せ。



「俺が作ったまがい物。それでお前は満足するのか?」



その答えは、否。













Wenn Sie waren Sie nicht und wurden es, den Sie wesentlich sind?














もう一度だけ会いたかった。
もう一度だけ声が聞きたかった。
もう一度だけ触れたかった。
もう一度だけ……。
そうやって、望みは増えるばかりだったけれど。





続。







ローさんとルフィのやり取りばっかでござりーぬ。
雰囲気でサラッと読んでもらえるとうれしいです。


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