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※猛烈捏造・いろいろ暗い



現実を見るのが、怖くて。
夢に溺れて、逃げて。
目の前に広がった事実に、絶望した。
大好きだった赤色は、今はただ絶望の色で。
暖かい温もりもまた、恐怖を再び呼び起こすものでしかなかった。
光が怖かった。
それは全て真実をさらけ出すものだから。
闇は優しかった。
それは全て偽りで覆い隠してくれるから。



「麦わら屋」



貴方の声は心地好かった。
ほの暗い底に溶け込む音は、すんなり脳を侵食していく。
このままこの声にドロドロに溶かされて、何も考えなくてよくなって。
それからそれから。



「いつまでそうしている気だ」



いつまで?
そうだな、自分が自分でなくなったら。
そうしたら、きっとここじゃないところに行くよ。
もしかしたら、そうしたら行けるかもしれない。



「どこへ?」



大好きな、あの人がいるところへ。



「……それが望みか」



あぁそうだ。
今いる意味だ。
なぁ、お前はこんな俺をどう思う?
呆れたか、軽蔑したか、もう興味もないか。



「いや……面白いぜ」



ドロドロになって耳までおかしくなったのか、こんな俺を面白いというコイツがおかしくなったのか。
まぁ……もうそんな事はどうでもいいや。



「しばらく待ってろ。……面白いもの持ってきてやる」



扉の前に立つ姿は、光を背負っていて表情は見えなかったけれど。
染み込む音は少しの粘り気を持って、耳から離れることはなかった。








Weil die Stelle, dab ich dadurch zuruckkam, nicht von Ihnen gebrochen wurde.














暗い暗い船室の中一人、特にすることもなくただ膝を抱えて啜り泣く。
なくしたものが見つからないのです。
さっきまであったのに。
あぁ、ここはまるで迷路のようで。







続。




ルフィさんが病み気味です。
たまには弟による兄依存症。




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